内容説明
二八歳にしては童顔で小柄。女子大生か、時には女子高生に見間違えられる神奈川県警江の島署の細川春菜に異動の辞令が。新たな部署は栄えある本部刑事部の「捜査指揮・支援センター」。だが、期待と不安を胸に新天地に赴いた彼女を待っていたのは、一癖も二癖もある同僚たちと、鉄道マニアが被害者の凄惨な殺人事件だった。新シリーズ第一弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
129
鉄道マニアが被害者の殺人事件発生。28歳にしては童顔で小柄、女子高生にさえ見間違われる細川春菜と、浅野康長警部補が捜査する。捜査協力員として何人もの鉄道ヲタクたちが登場。それぞれに深くてマニアックなヲタ知識を披露。ヲタトークがとても濃くてトリビア的に興味深い。鉄ヲタといっても単純ではなく、撮り鉄、乗り鉄、駅鉄、音鉄などさらにジャンルがあり、縄張り意識もあったりで面白い。その上で意外な真実が見えてくる過程が、楽しめる。今回は全編が鉄ヲタの世界だけれど、シリーズ化されれば他のジャンルも深堀りされるのだろうか?2021/06/18
yukision
85
神奈川県警で特殊な知識を使う捜査官が主人公という点では真田夏希シリーズと通じる鳴神響一さんの新シリーズ。真田夏希シリーズと違うのは夏希自身が心理学のスペシャリストであるのに対し,春奈はオタク達の協力を得て事件解決を目指す。オタク的な特定分野の深い知識に触れることが出来るのが楽しい。今回は鉄道オタクの力を借りたが,今後どんなオタクが出てくるのかも楽しみ。2021/11/23
さっちゃん
68
神奈川県警・巡査部長の細川春菜は、異動で本部刑事部の「捜査指揮・支援センター」専門捜査支援班の一員に。主な業務は協力員に登録されている各分野の専門知識を持つ一般人、つまりオタクの担当。今回は鉄道絡みの事件なので鉄道オタクに協力を依頼、彼らの膨大な専門知識から事件解決へのヒントを得る。ミステリや警察モノというよりマニアックな鉄道知識を楽しむ内容。シリーズ化して毎回テーマに合うオタクが出るのかな? 春菜のキャラがちょっと軽くて殺人事件の緊迫感はないけれど、それくらいが一般人担当には適任なのかも。2021/11/01
Yunemo
66
ヲタクが主人公との勘違いで読み始め。聞き込みの大部分が可能性潰しに使われる、というベースでの警察官物語と捉えて。各専門分野のヲタク達、いい意味ではマニア、への聞き取りという仕事なんだ。ここから真実を暴いていくという手法。本作は「鉄チャン」、鉄道の薀蓄、盛りだくさん。ヘェーと驚くこと多くて。それにしても、これだけ細分化されてるんだ、改めて新鮮な驚き。実は自身で、薀蓄とはある意味教養、と思い込んでたけれど、ちょっと違うのかも。この業界にあって、主人公の設定については新鮮さを感じながらも、無いよなーとの想いも。2022/05/07
坂城 弥生
58
オタクはその分野に関しては一般人よりよっぽど詳しい上変化にも敏感だから捜査協力者としては確かに最適かも。2021/07/20