内容説明
官尊民卑の世の中を変えるため、目指せ、攘夷の志士! ところが――。
従兄の尾高惇忠や渋沢喜作らとともに、尊王攘夷に傾倒していく渋沢栄一。江戸に出入りして同志を集め、ある暴挙を企てるが、京の情勢に通じた惇忠の弟・長七郎の猛反対にあい、実行直前にして断念することに。一転、幕府から追われる立場となった栄一は、喜作とともに京へ逃げる。
そんな彼らに助け船を出したのが、徳川慶喜の側近・平岡円四郎だった。慶喜こそが幕府を変える人物であると望みを懸け、一橋家に仕えることを決意した栄一の運命が、再び大きく動き始める――。
話題の大河ドラマ「青天を衝け」第11回~第21回の内容を収載した、完全小説版第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
23
全4巻だが、この2巻が一番「おかしれぇ」んじゃないかな(笑) エネルギーに満ちあふれた栄一の豊かな発想と行動力は若気の至りとも言われる失敗は多々あるけれど、とにかく一生懸命さが円四郎や慶喜様に伝わっている。「おかしれぇ」円四郎が、類は友を~と言うべきか「おかしれぇ」栄一を慶喜様の前に連れてきた。ってことは、慶喜様もお国の重圧から解放されれば「おかしれぇ」人間に違いねぇ!なんて想像をする。不真面目な話はこのくらいにして、ドラマでよくわからなかった点のお復習いポイントは天狗党かな。いよいよ3巻はパリ万博!2021/11/16
Book Lover Mr.Garakuta
19
面白かった。類は友を呼ぶ。一流には一流の取り巻きが集まる。荒々しい大海原に傑出した人々が、歴史の奔流に飲み込まれて、近代日本の礎を築いていくのが面白いですね。2021/06/24
だまし売りNo
7
『青天を衝け』が阿片戦争を強調したことは巧みである。栄一はガチガチの攘夷論者になり、横浜外国人居留地を焼き討ちにしようとした。これは明治の実業家として黒歴史になる。坂本龍馬の小説ならば武市半平太ら周りは攘夷を唱えたが、龍馬自身は最初からそれほど攘夷論者ではなかったという描き方をするだろう。しかし、そのような補正は歴史と向き合った物語を求める人々には物足りなさがある。『青天を衝け』は阿片の問題を強調することで攘夷が薬物犯罪の糾弾と同じように当時の人々にとって自然な感覚であると描いている。2021/03/18
Hiroyasu
3
栄一らが、攘夷のために横浜焼き討ちを試みるところから、幕府の代表としてパリに旅立つまでの間。 栄一が、当初の志に葛藤しつつ、本当に日本のためを考えて、出発する。 国のために、日本のために、と考える栄一の志に感銘を受けた。2021/08/08