内容説明
次々と転身を遂げ未来を切り拓いていく栄一の生涯、いよいよクライマックスへ!
パリから帰国後、主君・徳川慶喜の隠棲する静岡で「商法会所」を設立するなど藩のために尽力していた渋沢栄一は、明治新政府から出仕の要請を受け、東京へ。いまだ武士の習わしから抜け出せない政府の中で「改正掛」を立ち上げて改革を推し進め、銀行の設立にも奮闘する。そして三年半後、栄一は官を辞し、民の立場で実業の一線に立つことを決意する。一筋縄ではいかない商人たちがうごめく世界に飛び込んだ栄一が目指すものとは?
通貨、税制、鉄道、郵便、銀行ーー今につながる日本の礎を、高い志を持って築き上げてきた栄一の生涯も、いよいよクライマックスを迎える。
〈内容〉
第32章 栄一、銀行を作る
第33章 論語と算盤(そろばん)
第34章 栄一と伝説の商人
第35章 栄一、もてなす
第36章 栄一と千代
第37章 栄一、惑う
第38章 栄一の嫡男
第39章 栄一と戦争
第40章 栄一、海を越えて
最終章 青春はつづく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
25
大河ドラマのノベライズ最終話。映像では渋沢栄一の最後30年ほどがずいぶん急展開だったので、本書でじっくりお復習できた。多くの企業に携わってきたけど、これらは全て皆が暮らしやすい世の中を作っていくため。一人でできることでなくても、多くの気配りや思いやりのできる人のところには必ず人が集まり、力を合わせると大きな成果が得られるということを学べる1冊になった。必死に戦争を回避しようと親身になって考え、行動し続けた彼がノーベル平和賞受賞候補だったことも納得できる。私自身も少しでも社会に貢献できる行動を見習いたい。2022/02/01
Book Lover Mr.Garakuta
18
【速読】【小林書店さんで、購読】:官から民へ。渋沢栄一の波乱万丈実業家人生に幕が下りる。何処からこの様な活動力が湧いてくるのかと思う。ドラマと合わせて、珠玉の感動物の作品だった。2021/11/30
カッパ
1
渋沢栄一が今生きていたら、コロナから国をどう守るのだろう。 「仕事はいくらでも辞めることができるが、人間としての務めは、終生辞めることはできないからね」「ものの道理だけは踏み外すなよ」必ず真心が必要なんだ。何か迷ったら……「必ず、その胸に聞いてみるんだぞ」それが正しいのかを 経済も政治も、人の道だけは忘れてはならなかったんだ。欲望や臆病心という熱病に負けてはならない。相手をきちんと知ろうとする心があれば、無益な憎しみ合いや悲劇は免れるんだ。2022/02/02