内容説明
革命により王政が倒れた国・イルバス。処刑された前国王の遺した三姉妹の末王女アデールは、最北の辺境に建つ「廃墟の塔」に幽閉され、己や国の未来のことなど考えられず、ただ厳寒を耐え生き延びるのが精いっぱいの日々を送っていた。そんなある朝、他国に亡命していたという姉王女ジルダから手紙が届く。「イルバスを取り戻す気があるのなら――」。廃墟を逃れたアデールを巡り、様々な思惑が錯綜する。彼女と王国を待ち受ける運命とは!? ※本書は、eコバルト文庫「廃墟の片隅で春の詩を歌え」シリーズ3冊をもとに加筆修正をし、再編集したものです。
目次
姉妹
政治
王女
成長
恋愛
結婚
王政復古
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
39
革命により王政が倒れた国・イルバス。最北の辺境に建つ『廃墟の塔』に幽閉されていた前国王三姉妹の末王女アデールが、姉王女ジルダの命を受けたエタンに手引され脱出を図るファンタジー。アデールを救い出したジルダの打算。そんな彼女と関係があり指導役となったエタンと、女王として凱旋したジルダと共に国に戻ったアデールにもたらされるグレンとの結婚。ジルダと戻ってきた次王女ミリアムが対立する不穏な構図の中で、不器用なグレンとの関係に向き合い、本来の姿を少しずつ取り戻してゆくアデールのこれからがとても楽しみなシリーズですね。2021/01/20
葵@晴読雨読
29
骨太ファンタジー! 革命により、王政が倒れた国、イルバス。廃墟の搭に幽閉されていたアデールに姉王女ジルダから手紙が届き、姉の命により助けにきたエタンと搭をでる。そして…。 面白かった!2021/02/20
すがはら
27
姉たちに愚鈍だと思い込まされたアデールが見ていて苦しかった。終盤で自分の意思で動こうとし始めるところはワクワク感があったけど、周囲の人達がそれぞれ不穏です。旦那さん、やっと愛しい初恋の姫としっかり向き合って夫婦として協力できるようになる流れなのになぁ。これがリアルな人間関係かも。ままならないな。次を読むのがちょっと怖いような。2021/05/05
ときわ
16
「ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女」には前の話がある、だけど電子版しか出ていない。と知ってから、紙で出してくれないかなあと思ってた。きっと希望する人が多かったのだろう。紙で出版してくれたので買いました!この人がベアトリスのおばあ様、最初はそんな気持ちで読み始めたのだがすぐアデールの人生にのめりこんで読んだ。何もかもあきらめてひっそり生きてきたアデールに怒涛の変化が訪れた。助け出され、それなのに周りの思惑通りに生きるように強いられていることにだんだん気づいてからが良かった。2021/02/28
まゆっち
12
イルバス王国廃墟シリーズ、おばあちゃんアデール編。最初は苦難の連続で、操り人形のアデールが、徐々に自分を取り戻していく姿がかっこいいです。それを止めようとする周りにはイライラさせられますが。グレンとの夫婦生活もどうなっていくのか、続きが楽しみです。2021/09/30