小学館文庫 夢探偵フロイト －アイスクリーム溺死事件－

著者名：内藤了【著】/ｓｙｏ５【イラスト】

小学館（2020/12発売）

• ISBN：9784094068573

内容説明

生まれつきの人殺し“夢売り”の最初の事件。

夢科学研究所に放火してフロイト達を殺そうとした“夢売り”こと卯田姫香が、「責任をとって」と乗り込んでくる。フロイトのせいで“罪悪感”が生まれ、悪夢にうなされて眠れないのだという。
夢に出てくるのは、カラフルなメルヘン街のお菓子の家。姫香にヘッドギアを付けて脳波を調べる睡眠実験をすると、幼い頃、男の子をアイスクリームで溺死させた記憶が浮かび上がり……
これは「最初の殺人現場」だと思い出す姫香。自分は「生まれつきの人殺し」だという彼女は、どんな罪を犯したのか――!?
フロイト教授と、天才的なCGクリエイターのヲタ森、“夢”に関する卒論で卒業を目指すあかねが、悪夢の謎に迫る大人気ミステリ第４弾！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[麦ちゃんの下僕]

オーディオブック＋文庫本。私立未来世紀大学夢科学研究所の面々が“夢”にまつわる謎を解明していくシリーズの第４弾。今回は、前作から登場の卯田姫香を悩ます悪夢について調べることに。どうやらその夢は、実際に起きた子供の窒息死の記憶に基づいているらしいのだが!?…という物語。今回はペコのプライベートに関する話は控えめですが、タエちゃんの意外な過去やフロイトの祖父との関係が明らかに！シリーズ物は第１作から読むのがベストですが、特にこの作品は前作の続編と言えますので、少なくとも第３作は読んでから手にしましょう。

2025/03/17

[sin]

悪意の体現者であるはずの『夢売り』がこうなってしまえば…あの不気味さは何処へやら？フロイトチームの実験は過去の忌まわしい事件の真相をあらわにする。果たしてペコの素直な気持ちは彼女に刺さるのか？就活とは云えあの個性的な髪染めはやめたのか？そしておばちゃん食堂での会話が今更ながら六十過ぎた俺らの心を揺さぶった！「…、誰も私たちに教えてくれなかったんだもの。人はみな年を取るものだなんて」そうだよ今の自分なんて想像したこともなかったのに…作者が時折垣間見せる優しさを感じとれた思いがする。

2021/01/15

[Bugsy Malone]

思いもよらない闖入者、厳しさと優しさを込め彼女に接する夢科学研究所のメンバー達。子供の心を破壊する陰湿な大人の振る舞いに嫌悪を感じながら、またも放っては置けない魅力的なキャラの登場に次作がまた楽しみです。今作特に胸を打つのはあかねとタエちゃん達の会話シーン、自分の若い頃を振り返り、色々と感慨深い思いを抱きました。あかねの仄かな恋心？の行く末も気になる！

2021/04/14

[坂城 弥生]

姫香が冒頭に出てきたときは、まさか、復讐を…?と思ったけど、もっと健全で良かった。彼女の世界が閉じてしまわなくて良かったと思う。あかねはもうすぐ卒業みたいだけど、シリーズはどうなるのかな？

2021/01/27

[yomineko＠ヴィタリにゃん]

アイスクリームで溺死？というより窒息死かも。前回幽霊森に被害を与えた卯田姫香が出て来て初めは嫌～な感じだったけどあかねの彼女に対する真摯な姿勢とフロイトの冷静さによって何となく嫌な感じが薄れた。あかね、大学からいなくなっちゃうのかな😢😢😢ヲた森と割といい感じなのに。次作で最終なのか・・・寂しいなぁ。シリーズものでこんなに寂しさを感じるのは内藤了先生の作品だけです！！！

2024/07/07