内容説明
ネットで夢を売る「夢売り」の正体を追う!
私立未来世紀大学。就職活動に出遅れた4年生の城崎あかねは、面接に落ちまくり、意気消沈ぎみの毎日を送っている。そんな折、夢科学研究所のホームページに、「夢が売られている」という情報が入る。調べてみると、ネットフリマアプリ「アボカド」で、『夢売り』なる人物が夢を販売しているようだ。
売り手が買い手にどうやって夢を見せるのか、興味を惹かれたフロイト教授は、実際に夢を買ってみようと提案。身分を隠して、あかねが吉夢、フロイトが凶夢を購入する。そして待望の夢が届くが、それは全く予想もしていなかった恐ろしいものだった。
ネット上から忽然と姿を消す『夢売り』、夢に呑み込まれていくあかね――。一方、『人殺しの夢』を購入した人物は、生々しい殺人の快楽に溺れていた。
『夢売り』とは何者なのか? その意図は何なのか?
フロイト教授の分析が冴えわたる、人気シリーズ第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
79
今作の夢は「夢売り」。実際に夢は買えるものなのか?そのからくりを解き明かそうとするフロイト率いる夢科学研究所。とっても興味深いテーマと容易に誘導されかねない危うく脆い人というものの精神状態。切っ掛けと状況と思い込んでしまう心、これもある種の洗脳なのだろうか。人の心を操る陰湿な悪意、人の悪意を認め善をも信じるフロイト。人と人の信頼感を与えてくれるヲタ森とあかねの関係。次作も期待大です!2020/07/28
papako
73
フロイトシリーズ3巻。この作家さん、続きが出るの早いね。就活に悩むあかね。ネットで夢が買えるという噂。フロイトたちは買ってみることに。同じように『人を殺す夢』を買った男達事件を起こしていた。買った悪夢は現実に影響するのか?そもそも夢は買えるのか?そっか、夢を見る準備ができていて、ひどい物を見たら悪夢になるわな。現実にあるのは悪夢ではなく悪意。本当だわ。さてさてあかねは卒業するのか?ヲタ森フラグ立てまくりですねー。そして幽霊森に現れるフロイトの祖父さんの伝えたいことは?次も楽しみ。2020/03/11
あっちゃん
71
ネットで夢を売っているという事だけど、値段が高すぎる(笑)そして相変わらず貧乏くじを引くあかね…私はあまり怖い夢は見ない(夢の中で怖く感じていない)のだけど、それはノーテンキなせい?( ̄▽ ̄)2022/09/26
sin
67
夢を売る…悪夢が現実を侵食していく。今回の事件はフロイトが追う死に至る悪夢を連想させて、もっとひっぱるかと思いきや案外あっさりと解決に至ってしまった。それよりもペコが現実に直面した就活と云う転機に、何をやりたいではなく働く事が当たり前だから就職しようする自分の短絡的な思考に苦悩する姿が印象に残った。まあ大概の学生はそうしたものでやりがいは人生の過程で見出だしていくものなのだろうが、早い時期に思い至るゆとりがいまの若者にはあるのだろう。最後に彼女はその道を見付けたようである。2020/01/10
坂城 弥生
66
『勉強が上手いだけの馬鹿』という言葉が新鮮だった。 フリマサイトで『夢』を売っているというのが現代的だなぁと思った。2021/01/22