内容説明
蝉の鳴き声が響く夜。三田に剣術指南の道場を構える峡竜蔵は、武士と浪人風の男の凄まじい斬り合いに遭遇する。仲裁に入ったものの、浪人の剣技は竜蔵さえも圧倒するものだった。数日後、念願叶い、大目付・佐原信濃守康秀の屋敷へ指南役として赴くことになった竜蔵は、そこで佐原の側用人を務める眞壁清十郎と再会し、親交を深める。そんな中、密命を帯びて出かける眞壁を見つけ、気になって後をつけた竜蔵は、そこで先の凄腕の浪人と遭遇し・・・・・・(「第一話 夜鳴き蝉」より)。人々への優しさを胸に、剣の道を歩む男の姿を描く傑作時代小説、シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
31
負けず嫌い向こう見ず、荒くれ剣客しかし剣侠として生きようとする竜蔵、竜蔵を中心に庄太夫、お才、清十郎の過去と友情、スパットした江戸っ子。竜蔵が1話ごとに成長していくストーリー楽しく読めて面白い。2013/09/09
ベルるるる
27
竜蔵と竹中庄太夫の会話にホロリとしてしまった。 「強くならなくてもいい。庄さんには俺がついてる。庄さんは俺の人生の師だ。この先、門弟が3千人を数えても俺は庄さんの事を苛めるような奴がいれば許さない」2019/02/09
ドナルド@灯れ松明の火
14
岡本さんのシリーズはすぐ次作を読みたくなる。まさに一日一作になりそう。シリーズ2作目で主人公竜蔵の人となりがはっきりしてきた。弟子がようやく2名となったが収入はほとんどなくぎりぎり。だが周りの人たちに助けられようやく食べていけるようになりそう。 お薦め2020/06/26
ニッキー
13
このシリーズは、面白い。 人間関係が膨らみ、謎も解けて行く。 薄々分かっていた事だが、お才の父親が大目付・佐原信濃守康秀であることが、自白から明らかになる。峡竜蔵の成長も著しい。2018/11/29
Totchang
12
シリーズ第二弾。早くもお才の出自が明らかになりました。子供の頃のいじめはしたほうが忘れてもされた方は忘れない。そんなテーマにも関わるこの時代小説が面白い。2018/10/10