内容説明
野間文芸賞受賞作『年月のあしおと』の続篇。父・柳浪のことから筆をおこし、五・一五事件、二・二六事件、太平洋戦争へと傾斜する、暗鬱な時代を背景に、昭和初年前後から敗戦までの苦悩を生きた作家たちとの交流やX子とのことなど、著者の辛い記憶を鮮やかに描く、自伝的文壇回想記。85項上下2巻。上巻には「菊池寛の率直さ」「愛国心とニヒリズム」ほか、47項までを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フリウリ
10
和郎が「婦人公論」に、菊池寛がモデルの「女性にモテない詩人」を登場させた小説を書いたせいで、菊池が中央公論社に乗り込み、嶋中社長と喧嘩になり、それを和郎が収めるエピソードが出てくるが、人物がみな生き生きと描かれていて、とてもおもしろい。その他、さまざまな作家像、戦争に向かうなかでの文壇への圧力、「X子」に悩まされる日々(この部分は私小説的)など、読みどころたっぷり。和郎(1891年生)からみて文壇の重鎮は徳田秋声、島崎藤村(共に1872年生)、若手が川端康成(1899年)という人物関係が興味深い。72025/11/20
月
7
★★★★★(「年月のあしおと」の続編。前回は広津の若き日から宇野の発狂、芥川の自殺、父柳浪の死までの収録だったが、続編ではそれ以降の回想録となる。続編の執筆は1964~67年、広津72~75歳の頃である。筆者は翌68年に亡くなっているので、年月のあしおと(正・続)は文字通り広津晩年の集大成的作品でもある。しかし、この自伝的回想録は広津にその年齢(文章の硬さ)を感じさせない。魅力的な筆質である。そして、親友・宇野浩二の死より遅れること7年、奇しくも同じ月日の9月21日に現世を旅立っている。) 2013/06/14
euthanasia
0
とにかくキチガイ女が怖すぎる2013/05/17
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