内容説明
文芸評論家となる切っかけとなった「洪水以後」入社前後から、小説を書き始めた頃の滝田樗陰との出会い、尾崎士郎、宇野千代との大森馬込時代、関東大震災後の市井の不穏、プロレタリア文学抬頭期の本郷菊富士ホテル周辺、畏友・宇野浩二の病、芥川龍之介の自殺、葛西善蔵の死、父・柳浪の他界など、自伝的要素を加えた屈指の文壇回想録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。正篇上下2巻完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フリウリ
12
島村抱月、宇野浩二、葛西善蔵、岩野泡鳴などのエピソード、また大正時代の「行き過ぎた」トルストイ受容の状況、そして父・柳浪への愛情など、とてもおもしろい。「誰が見ても些細なことでも、或性格者にはそれを処理するのに非常な努力が要」り、その「苦悶の仕方に人間生活の厚みや深みが出」ていて、「それは人々に見のがされ勝であるが」、「そこに人間生存の謎の深さが隠されている」と、和郎は述べていることが、腹に落ちました。宇野の発狂、芥川の自殺、父の死などで本巻は終わりますが、先は長い。たいへんおもしろいです。92025/11/18
月
9
★★★★★(インテリゲンチャの弱さと脆さの追求、そして広津が見つめたその先にあるものと散文精神に基づく生き方。広津は島村抱月の学問よりも、むしろその廃滅的なニヒリズムに惹きつけられた。そして同時にそのニヒリズムは当時広津の中にも芽吹いていたものである。広津はそれを自覚しながらも諦めの中に逃げ込まず、散文精神を礎に一歩一歩確実に足を進め・・やがては社会の影ともペンで立ち向かう事になる。当時の広津のトルストロイアン(思想)に対する反発も興味深い。広津の自伝的文学としてもとても面白く読み応えのある一冊。) 2013/06/10
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