内容説明
「正規勇者は正義の味方じゃねぇ。人類の味方であって、人類の敵の敵だ」そんな守護者が、はじめての友人を奪われたとき。その友が、人類の敵になったとき。勇者リーリァは必殺の聖剣を手に、何を想うのか――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
聖剣セニオリスの調整に訪れた幽霊船都市国バゼルフィドルで、正規勇者リーリァにできたはじめての友人・エマ。不器用な友情を育む二人が陰謀に巻き込まれてゆく外伝第二弾。素直になるわけにはいかないリーリァとヴィレムの距離感が何ともいい感じで、標的にされたエマにヴィレムも巻き込まれる中、突出した存在ゆえのリーリァの葛藤と、年相応の不器用な女の子としての彼女がなかなか印象的で、それと対比するかのようなかつての勇者のエピソードもありましたけど、彼女の物語の結末がどのように描かれるのか、続巻を楽しみに待ちたいと思います。2020/07/22
どんぐり@京都の何処かで
19
ラノベの中でもトップクラスに好きなキャラ、リーリァ。最強で普通の女の子で、好きな男の子のために倒れなければならなかった最後の英雄。すかすかの中でも不思議と転生というか、再登場していない。本編でも彼女に救いが欲しいなと思う。ヴィレムとのほわほわした在りし日の姿が、本編の最進行部を想うと泣けてくるよ。2020/07/09
真白優樹
11
確かにそこに友情はあった、だけどそれは儚い友情でしかなく、勇者もまた希望に非ず、ただ今は味方であるだけの存在で。この終わり往く世界で生まれる絆、それを嘲笑い飲み込むかのように災厄は突然襲い来て、彼女は心を飲み込み刃を振るう。あの日、何が起きていたかが再び語られる今巻。今に続く過去があり、今も生きる彼等がいる。だけどあの日々はもう戻らない、だからこそ儚くて切なくてうつっくしいのだろう、この日々は。戦いの果てに落としてしまった無くし物。果たして、この先に待つのはどんな終わりだろうか。 次巻も楽しみである。2020/06/03
彼方
9
聖剣セニオリスの調整に訪れた幽霊戦都市国・バゼルフェドルではじめての友人が出来たリーリァ。聖剣ゼルメルフィオルを巡る陰謀は未だに終わらず、敵となった友人を前に人類の守護者・リーリァは何を想うのか…異伝2巻目。すかもかを挟んで一年ぶりの刊行なので色々思い出しつつ読了…。友達との距離感に悩む年頃のリーリァや聖剣の調整技術を学ぶヴィレムと青臭さが楽しくて、でも運命はやっぱり切ない道を辿っていて…切なくなりますね…。昔の正規勇者リュシルの過去に『燃え殻ネズミ』の思惑…色々複雑に絡まっていて今回も惹き込まれました。2020/06/01
みどり
8
500年前の物語も2巻目。 実はヴィレムは昔も今もかわっていないのでは?というエピソードも小ネタに挟みながら。 でも、結局悲しく終わるんだろうな~。2020/06/07