内容説明
リーリァ・アスプレイ、13歳――亡国の姫にして人類を守護する勇者である少女の、烈しくも可憐な日々。アニメ化も果たした『終末なにしてますか』シリーズから紡がれる、もう一つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
39
極位の聖剣セニオリスに資格を認めらた正規勇者の少女・リーリア。彼女に並び立つことを諦めない兄弟子に複雑な感情を抱きながら過ごす烈しくも可憐な日々を描く異伝。本編から遡ること500年前の世界を生きた正規勇者リーリァとヴィレムの物語で、大きすぎるものを背負いままならないことも多い正規勇者であるリーリァにとって、絶望的な力の差はあっても自分の手が届かないところで身体を張って奔走してくれるヴィレムが相変わらずというか、かけがえのない存在であるのがよくわかりますね。聖剣セニオリス成立のエピソードもまた良かったです。2019/07/21
まりも
36
これは聖剣セニオリスに認められた正規勇者リーリア・アスプレイの物語。すかすかの外伝だが、本編を知らない人でも楽しめる作りになっている。ヴィレムはどんな時でもやっぱりヴィレムで、リーリアが抱えていた運命は思ってた以上に苛烈で胸に迫るものがあった。本編に繋がるシーンもあり、感慨深いような切ないようななんとも言葉では言い表し難い不思議な気持ちになったが、すかすからしいいつまでも印象に残る素晴らしい外伝だった。こうなると他のお話も読んでみたくなるよなぁ。2019/06/03
どんぐり@京都の何処かで
22
勇者リーリァ・アスプレイが主人公の物語。私の読んだラノベの中でも最も苛烈で峻烈、でもその生き方しか選びようのなかった大好きなキャラクターのお話。どうしても本編の彼女の最後が・・アルマリアとクトリ、誰もがほんの少しの幸せのために戦い続けた本編の過去の切り抜き。そしてセニオリスの誕生と、大好きなヴィレムの聖剣調整技術の獲得秘話。やばい破壊力だな、リーリァのイラスト、全部泣けてくる。これから終末も本当のクライマックスに突入。もう一度、彼女らと彼が会えますように。2019/06/06
真白優樹
14
―――支えてもがき共に苦しみ、それでも伸ばす手を戻せない。 ヴィレムに支えられ彼を支え、彼の根幹を為していた少女、リーリァ。その細い背中と非力な腕に世界を抱え、それでも戦う事をやめなかった彼女。 その背に伸ばされた手は届かず、彼へと伸ばされた手は運命の濁流に呑まれゆく。 彼女達の日々へとつながる幾つかのお話を語りながら、かつて確かにそこに会った日々は紡がれる。 それはもう取り戻せないもの。終末へ繋がる儚い希望。だとしても生き抜いた彼女達、その必死の抵抗に涙が浮かぶ。 いつか続きを読みたいものである。 2019/06/05
彼方
13
リーリァ・アスプレイーー極位の聖剣セニオリスに認められた正規勇者である彼女が13歳の時のお話。今回はじめて主人公としてスポットがあたるリーリァ、幼くもその年齢にしてはあまりに苛烈な経験を積んでいて…滅びる前でも世界は残酷ですね…。聖剣ゼルメルフィオルをめぐる事件にも心打たれつつ、少し懸念は残りましたが綺麗に纏まり…リーリァがヴィレムへ抱く複雑な感情や初代セニオリスの使い手と…一番昔のエピソードという事で本編に繋がるシーンも印象的でした。こうもシリーズが続くと新規でクトリの活躍とか読みたくなってくるなぁ…。2019/05/31