ちくま新書<br> 人類5000年史III ──1001年~1500年

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人類5000年史III ──1001年~1500年

  • 著者名:出口治明【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2020/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480072665

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内容説明

文明の誕生から現代まで、人類5000年の歴史をまとめる著者のライフワークの第三巻。1001年から1500年までを概観する。ヨーロッパでの十字軍の遠征、中国での宋の繁栄、モンゴル帝国の成立により、人類はグローバリゼーションを謳歌した。しかし、直後の気候不順、ペスト流行などによりモンゴル帝国は崩壊、明が中国を支配した。ヨーロッパではフィレンツェを中心にルネサンスが花開いた。

目次

第八章 第五千年紀前半の世界(一〇〇一年から一五〇〇年まで)
(1)宋と東ローマ帝国の繁栄(一〇〇一年~一一〇〇年)
宋の近代性
 淵システムの誕生
さまざまな変化を生んだ唐宋革命
中国の周辺諸国の動き
聞き入れられた提言「万言書」──王安石の登場
整合性のとれた王安石の改革
イスラームのインド、アフリカ浸透とセルジューク朝の台頭
レプブリケ・マリナーレ(海の共和国)
ヴァイキングのイングランドへの侵入
東ローマ帝国の最盛期とノルマン人の南イタリア征服
叙任権闘争
カノッサの屈辱
東ローマ皇帝の救援依頼
(2)十字軍の時代(一一〇一年~一二〇〇年)
第一回十字軍あるいはフランクの侵略
中世の春
第二回十字軍
二つの王冠を被った王妃アリエノール
ホーエンシュタウフェン家の台頭
第三回十字軍
フェデリーコ二世の誕生
アリエノールの最期
宋の南遷
日本と中国の交易
第四回十字軍
ローマ皇帝フェデリーコ二世
第五回十字軍
ホーエンシュタウフェン家の終焉
フランス王妃ブランシュ
商人の誕生
(3)モンゴル世界帝国(一二〇一年~一三〇〇年)
モンゴルの勃興
インドのムスリム化
モンゴル世界帝国
モンケの即位
クビライの即位
銀の大循環
ヨーロッパの調停者、聖ルイ九世の十字軍出立
「真珠の木」シャジャル
イスラームの英雄、バイバルス
シチリアの晩鐘
クビライによる大都の建設
クビライの外交政策
クビライの死とその後のモンゴル帝国
(4)ペストの大流行と明の建国、百年戦争の始まり(一三〇一年~一四〇〇年)
ローマ教皇のアヴィニヨン捕囚
百年戦争の始まり
ペストの猛威
明の建国
暗黒政権、明
カール四世の金員勅書
相次ぐ農民反乱とハンザ同盟の成立
ティムールの進軍
(5)ルネサンスの世紀(一四〇一年~一五〇〇年)
鄭和の大航海
シスマの終結
百年戦争の再開
ジャンヌ・ダルクの登場
メディチ家の春
薔薇戦争
春の戴冠
一四九二年
一五〇〇年の世界のGDP
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Emkay

19
西暦1001-1500年を網羅。百年ずつ区切って(1)宋と東ローマ帝国、(2)十字軍、(3)モンゴル帝国、(4)ペスト、明、百年戦争、(5)ルネサンス、と5章に分けて解説。大変読みやすい。中世と言われるこの時期、常に戦争ばかり行われていたという印象。14世紀のペスト大流行は、モンゴル帝国がきっかけとなった東西交易が遠因だと指摘。グローバリゼーションで拡散したとされる新型コロナと同じ構図。ルネサンスでは、人類が神の手下ではなく、自我に目覚めていく過程が記され、ようやく現代に通じる価値観を見いだせる。2021/04/22

coolflat

17
1001年から1500年までの歴史。宋元明、セルジューク朝やティムール朝、十字軍や百年戦争などを主に扱う。モンゴルの世界帝国成立により、世界の交易がグローバル化していく時代である。25頁。南無阿弥陀仏と唱えれば救われると説くシンプルな教えの浄土教は庶民層に広まり、生きることの意味を問うなど難しい理屈の多い禅の教えは士大夫層に広まりました。この不況に大きな役割を果たしたのが木版印刷でした。この当時の印刷技術の進歩には目を見張るものがあり、信者を得るためのアジビラや宗教文書の大量印刷が可能になっていたのです。2022/05/20

こちょうのユメ

14
AD1000年までを500年ごとに記述した詳細な歴史書。独自の人名や地名表記が多く、めまいがするほど。だが本格的に歴史を学ぶには良い。知らなかったが、聖徳太子の実在は不明で、厩戸王がそのモデルという。また、シルクロードは実際には交易路としては過酷で、おおくは「草原の道」や「海の道」がつかわれたこと。寒冷化などの気候変動が諸民族の大移動を引きおこし、文明の興亡につながったという「気候文明史」としての考察。印象に残ったのは、歴史には振り子のような揺り戻しの現象があるという指摘で、深い真理を突いていると思う。2025/06/29

こちょうのユメ

11
『Ⅲ』の感想です。本書のポイントは、ユーラシア大陸の中央部にある。中国・モンゴル・イスラーム諸国の動きを重視。その支配を受けいれ貢物を納めれば、統治は寛容だったとする。また、羅針盤・印刷・火薬という中国の三大技術が、世界に影響を与えたと評価。一方、西洋キリスト教世界には冷ややかだ。十字軍による略奪と破壊、異端審問や魔女裁判など、一神教の排他性には批判的。名称にもこだわりがある。マルコ・ポーロは「誰か」とし、コロンブスは「コロン」と表記し通説から距離をおく。歴史的な興味があれば深掘りするのもよいだろう。2025/07/11

井上裕紀男

10
北欧王家や平清盛など、海を馳せた時代の記録がもっと残っていたら、現在の歴史認識も良くなるんじゃないかと思う巻。 モンゴル話が当然わんさか出てきますが、バイバルスの下りが非常に面白い。十字軍の愚行もしっかり記載去れていて好感。異端審問制度など馬鹿馬鹿しい悪行も然りです。 王安石とトマ・ピケティを比較している辺りも秀逸です。ぜひお読み下さい。 文化関係があまり出てこない所を見ると、人類はこの辺りになかなか争い続けた感があるなと邪推。ペストのパンデミックなど、えげつない時代を市井の人たちは苦しんだはず。2024/08/14

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