内容説明
フランス・ルネサンス文学を代表する作家フランソワ・ラブレーの傑作大長編、待望の新訳版。この巻では、巨人王ガルガンチュアの誕生・成長と冒険の数々、さらに戦争とその顛末が、笑いと風刺を織り込んだ密度の高い文体によって描き出されてゆく。現代的センスあふれる清新な訳文から、不朽の物語の爆発的な面白さと輝かしい感動が楽しく伝わってくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
38
物語の順番からして父親のガルガンチュアを第1巻としたらしいが、パンダグリュエルの出版が早い。背景を調べずに単に読むということはあり得ないので、渡辺訳と比較しながら読むべきなのだろう。宮下訳の特徴は軽い。そして注が多い。バフチン『フランソワ・ラブレ-の作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』のカーニバル論は間違いなく参照項になる、というかそのために読む。『ユリシーズ』のような動機で読むことになるが、とにかく読み易いのが救いだ。こういう奥行きのある古典を、資料を頼りに読むというのは、読書だけに与えられた愉しみだ。2026/07/05
かんやん
31
その昔、安岡章太郎が編集した『ウィタ・フンニョアリス』という糞尿譚のアンソロジーに、渡辺一夫訳の本書の、尻の拭き方大全とでも言うべき13章が選ばれていて、一読「ルネサンス、スゲえ」となったものだ。地球広しと雖も、尻を拭うのはホモサピエンスのみであるからな。やはり馥郁たる渡辺訳を選ぶべきなのだろうが、新たな研究の反映もあるかと思って新訳にした……が、興趣に乏しい……ような。痛快な騎士道物語のパロディであり、尾籠なネタ満載。それでも、諷刺の影からユマニストの真面目な素顔がのぞいている。理想を語りだすと、→2020/10/10
三柴ゆよし
31
出鱈目な誇張、糞小便の頻出、お下劣な言葉遊びの数かずには、いつかどこかで出会ったことが……と思いながら読んでいたのだが、なんのことはない、ラブレーの魁偉なる想像力とは、私たちに潜在する幼児性に他ならないのであって、考えてみれば私たちはいつから「うんこ」という言葉にかつてほど敏感ではなくなったのであろう。いや、おれはいまでもびんびん感じているよ! という御仁はお呼びではない。いまは大人の話をしている。脱肛でもしているがいい。ここから先が私の最も言いたいことなのでもうすこし我慢して聞いていてほしいが、(続)2013/02/03
fseigojp
22
渡辺一夫先生の岩波文庫で読み出して無類の面白さを知り 最新訳に挑戦することにした2017/10/20
eirianda
12
糞尿物古典…。やっと図書館で新訳を借りられた。宗教改革の頃にスカトロジックなアホンダラ物語で当時の権威、神学を批判し、禁書になるって、ジュスュイシャルリー改めジュスュイラブレーと言うのはどうでしょう? フランス人って15-16世紀からこういう風なのか…。物語としてはどうということも、構成も盛り上がりも大したことはないけど、下ネタとか、パンタグリュエルになると巨人とか面白そう。残念ながら私、知識浅く肝心の批判具合がピンとこないので、巻末の解説は必読です。挿絵を見てみたい。2016/01/19
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