内容説明
1966年、斑の虎を盗むために登場して以来、40年以上にわたり「価値のないもの、誰も盗もうとは思わないもの」ばかりを盗み続けてきた怪盗ニック・ヴェルヴェット。天下無双の大泥棒の活躍譚も、ついに最終巻を迎える。巨大な石像の首、結婚式で飛ばす鳩、空っぽのペイント缶などを意外な方法と思わぬ理由により盗み出す通常営業から、恋人グロリアとの出会いや〈白の女王〉サンドラ・パリスとの共演などファン必読のエピソードまで、本書には本邦初訳8編を含む全14編を収録。シリーズ全87作品を発表順に収録した文庫版全集、堂々の完結。/解説=木村仁良
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naoko Takemoto
11
これで終わりかあと思うと力が抜けてしまった。しょうがないよね、作者が故人だし、そのうえで6巻まで出版してくれた創元さんと翻訳者に感謝です。6巻になって、やってニックとグロリアさんの出会いが明らかになったが、今迄の巻よりも人が死ぬことが多くなったような気が。でも、短編の楽しさを教えてくれたのは、怪盗ニック(と、実はジャック・リッチーという話もあるが。)たまたま図書館の新刊コーナーで見つけたことがきっかけだけど、短編の楽しさを教えてくれました。2019/03/17
二葉
9
ニック物全訳最終巻。同じ全訳済みのホーソンに比べて作品の安定感はあったかな。この巻の最終話のラスト、本当に最後だと思うと感慨深い2019/02/12
Inzaghico (Etsuko Oshita)
7
「『価値のないもの』だけを盗み続けた愛すべき泥棒の活躍もこれで見納め! さらば怪盗ニック」。万感迫る帯の文句にまったく同感。 「価値の(ほとんど)ないもの」というのは、ニックや一般市民にとってであって、依頼者にとっては価値はありありなのだ。そのせいで、いつもトラブルに巻き込まれてしまう気の毒なニック(笑)。好敵手であり、ときに仕事上のパートナーであるサンドラ・パリスとの丁々発止のやりとりも好きだった。 2019/02/16
qoop
6
40年に渡り書き続けられてきた本シリーズ、無価値なものに価値を付与する上で、ひねりを効かせる工夫は大変だったろう。最終巻に来てもこれは!と思う作品もあり、著者の発想には感心させられる。序盤の荒唐無稽さは別格だが(ターゲットの幅が大き過ぎるのは相変わらずで楽しい)それでも引き込まれた。本巻ではニックとサンドラのキャラクターの違いが効いている〈バースデイ・ケーキのロウソクを盗め〉、ニックとサンドラで推理パートを分け合うのが面白い〈浴室の体重計を盗め〉が印象的。2020/03/05
stobe1904
5
【怪盗ニックシリーズ完結】短編ミステリの名手エドワード・D・ホックの怪盗ニックシリーズの最終巻。1作目では若々しかったニックも最終巻ではそれなりの年齢になり、時間の流れを感じつつ味わった。価値のないものを盗むニックだが、時には探偵役となり事件を解決したり、『白の女王』ことサンドラ・パリスと協業したりと色々な趣向を凝らして読者を楽しませてくれた。少し時間がたったら1作目からこの大好きなシリーズを再読したい。★★★★☆2019/04/25
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