内容説明
モレル父子商会の帆船の若い船長候補エドモン・ダンテスは、同僚のダングラールと恋敵のフェルナンの陰謀により、美女メルセデスとの婚約披露宴の席で逮捕され、無実の罪でイフ城の牢獄へ……。ナポレオン没落後の激動の社会を背景に、燃える正義感と鉄の意志で貫かれた男の波瀾の人生を描いて、万人の血を沸かす、大デュマ、不朽の名作の完訳決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
26
再読。19歳にして、船長と結婚を同時に達成できる人生の慶事が、政治犯として嵌められて終わりの見えない監獄生活へ投じられる。もはや絶望を通り起して、悟りを開きかけていたところで、教養ある囚人に出会い、脱獄を果たし、莫大の資産をもせしめ、復讐への舞台が整う。2019/01/02
みかん
25
途中までやや退屈だったが、ファリア神父が登場してからは面白くなった。ファリア神父は自分で何でも作るし、その頭脳に何でも蓄えていてすごい人物がいたものだなと思った。ところで、解説にエドモン・ダンテスの復讐譚は実話を元に書かれていると知って驚いた。2巻も気になる!2016/08/16
ROOM 237
13
いよいよ超大作に着手するもべらぼうに面白過ぎて、もっと早く読まなかった自分をぶん殴りたい。ハイライトは務所入り&脱獄シーンでよござんすね?元々脱獄モノってハズレ少ないんだけど、未だにプリズンブレイクロス(何年前の話…)の私の心の隙間をえんやこら埋めまくるデュマ様に身を委ね、爆速で読了。哲学や歴史も勉強になる一方、スティーヴンスン名作「宝島」風の冒険も楽しいし、なんちゅうかこう…DJやったら場を上手く盛り上げそうな筆致。繋ぎも選曲もセンス良しのDJデュマ様、2巻目はどんな選曲するのかしら〜♡2023/12/13
しろうさぎ
11
何年も前Kindleセールで入手しそのまま積読していたシリーズ。子供の頃の児童用版は、男子向き読み物の印象だったが、遅ればせの全訳版でさすが稀代のエンタメ小説と感心した。後進の同ジャンルコンテンツに与えた影響は限りなく大きい。出だしはだいたい知っていたので退屈だったが、ファリア神父の登場から俄然面白くなる。新訳ではないが違和感のない訳文で読みやすい。2024/10/27
あい
9
言わずと知れた「巌窟王」。当時の大衆小説ということもあり、私の数少ない既読の海外文学の中で群を抜いて読みやすく、素直に面白いです。冒頭だけ新潮版と比べました。同じように古いタイプの訳ですが、こちらの新庄氏の訳の方が、するすると情景が浮かび主人公の人生にどんどん引き込まれました。全五巻の復讐劇、先は長いけれどワクワクします。2020/06/03