内容説明
大学入学を契機に放蕩の限りを尽くすようになった梨田雅之は、裏社会の本流に漂着した。博打以外に生き甲斐を求められない彼は、借財の果ての破滅的な賭博にのみ身を焦がし、次第に朽ちていこうとしていた――。前途に光明を見出せず死に急ぐ梨田が辿り着く場所は? 鉄火場で生まれた類例なき青春小説の傑作『病葉流れて』続編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遅筆堂
20
1巻よりもかなり本格的な博打小説になった。主人公が鉄人的に強くない、強くならないところがいい。地道にその世界に浸かっていく感じが独特の陰鬱さと青春の臭さがあって、その辺の描き方が素晴らしい。長男が来年、大学生になる予定(笑)、どんな風に過ごすのか。自分の大学生の時、そんなことを思いながら読み進めた。麻雀と競輪、どちらも大好きだ。愛すべきピカレスクロマン、麻雀放浪記オマージュ、読み続けたい作家の一人だ。2013/11/05
ヨーコ・オクダ
14
「病葉流れて」の続編。これも結構なページ数やけど、前編同様、麻雀牌のイラスト?がたくさん出てくるので、意外とスッと読み終えてしまう。前編で、博打の道を進んでいくと決めたように見えた梨田。借金を増やしたり減らしたりしながら、女性に助けられ、女性に騙され、そして身近な女性の死を経験しつつ、何と大学へ戻り、就職を決め、卒業することに!?ある意味、ホンマに引きが強い人間よねー。さらに続編もあるみたいなので、社会人になってからの彼の博打人生に期待!2016/10/20
ニゴディー
11
シリーズ2作目。 文章が良くなってたからか1作目に比べるとそれなりに楽しめた。 中盤のルミ絡みの話は良かったしね。 しかし主人公が中途半端な人間だし、クズすぎるし、読んでいてなんとも言えない気分になる。 3作目の上下巻でハマれなければその先に手を出すことはないかな。 さて、どうなることやら。2025/05/12
KAZOO
9
病葉流れてに続いての作品で、大学を卒業するころまでの賭け事や女性遍歴が書かれています。非常に興味深く読んだのですが、前にも書いたようにもう少しゆったり書いてくれたらと感じました。2014/01/14
Potten
3
積読解消のつもりが夢中になってしまい続きをお取りよせ。至急だったのでポチッしまいTKGさんスミマセン。さて、内容。麻雀を核に様々な博打をからめての青春小説。とても面白い。自分的にかなり波長が合う小説。学校にも行かず博打をして様々な人々と出会い、別れて、そして葛藤しながら時を過ごしているのだが全てにおいて中途半端で大人になりきれない、みたいな感じでどうしようもない主人公。自分の生誕直後らしい舞台の情景も上手く描かれ読んでいて楽しい。卒業そして西へ就職。だが、ますます中途半端になっていく予感。次巻へッ♪ 2016/11/25