内容説明
タフで不運な女探偵・葉村晶史上、最悪最低の事件が幕を開ける!
晶は尾行していた老女・石和梅子と青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれる。ミツエの持つ古い木造アパートに移り住むことになって晶に、交通事故で重症を負い、記憶を失ったミツエの孫・ヒロトは、なぜ自分がその場所にいたのか調べてほしいと依頼する――。
解説・戸川安宣
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
332
今回はマジ赤字、持ち出しの方が多い。約束の報酬30万もらえたんだろうか。心配。このシリーズの読者なら葉村晶が無傷で済む筈はないというのは承知だが、それにしても今回は格別ひどかった。たとえ当麻警部からの脅しがなくても、葉村はヒロトの知りたかったことを調べた気がする。葉村晶版『長いお別れ』かな。マーロウがテリーの為に動かずにいられなかったように、葉村もヒロトとミツエの為に動かずにいられなかった。女達が中心となった回。出て来る男は老いも若きも殆どアホだった。意外だったのが光貴。 2018/11/09
佐々陽太朗(K.Tsubota)
304
書き出しの文章にしびれた。ハードボイルドはこうでなくっちゃ。その一文に「青沼ヒロトと出会い、一つ屋根の下で暮らした」とあった。これまで浮いた話がなかった葉村晶にもついに艶っぽい話が・・・と思ったら、やはり不憫な女探偵なのであった。まことにお気の毒。満身創痍の40代女探偵って、大変ですなぁ。お疲れ様です。しかし、私はもっともっと葉村晶シリーズを読み続けたい。かわいそうだが、若竹さん、もっともっと葉村晶をこき使ってやってください。いよいよ次作はシリーズ最新刊『不穏な眠り』。すでに手元にある。読むのが楽しみだ。2020/02/13
星落秋風五丈原
270
周囲は彼女に同情しつつも皆自分の願いを叶えようとするエゴイスティックな人達ばかりで、いまいましいと思いながらも葉村晶も引き受けざるを得ない。タイトルの「錆びた滑車」は具体的に作品のなかに出てこない。心身ともに傷つき貧乏かつかつで「首が回らない」葉村晶自身のことを指しているのか。それとも歪みが出て来てあちこちにガタがきている世の中全体のことを指すのか。後者であるなら、きっと微力ながら葉村晶は、それでもガタついた滑車を回す側にいるのだろう。ごまかしてカラカラ回る滑車の回し手になることはなく。 2018/09/09
nobby
208
葉村シリーズ第6弾はなかなかのイヤミス長編。40代半ばを迎えた女探偵の活躍は、時に人や物が降ってきて顔面血だらけ左腕や指は骨折、足はもつれ、ふくろはぎはつり脱水や疲労の色濃く徹夜が身体に堪えるのが痛々しい…まずは冒頭での「一つ屋根の下」での出会いや、終盤に「わたしこう見えて怒ってるんだけど」なんてクールな怒りにドキドキ!何気なく押し付けられた探偵依頼が、いつのまにか大きな事件に繋がる。交通事故や火事という些細な不幸を社会問題や過去まで結びつけるのは秀逸。黒幕はじめ読了して人物の印象をひっくり返すのも見事!2020/07/31
遥かなる想い
181
2019年このミス国内第3位。 女探偵 葉村晶の軽快な探偵物語である。 ドジで 不運な 葉村晶の語りが好ましく、 楽しめる。 老女の尾行から始まる、事件への展開は 定番だが、何となく味わい。 著者らしい展開と 葉村探偵の愚痴が楽しい …そんな作品だった。2019/04/27
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