内容説明
百物語の十回目――最後の話を読み終えた時、これまでシリーズで書かれた物の怪の類があなたをじっと見ているかもしれない……。著者が体験、取材した実話をもとに恐怖を描く人気シリーズ、ついに最終巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
69
実話怪談集。他の実話怪談とは一線を画したこのシリーズも本書にて最終巻。人間が一番怖いというのは使い古された言葉だけど、本書を読むとそれが実感できるなあ。他の実話怪談が幽霊とか奇妙な話を書いているのに対して、このシリーズ人間の業というか情念というかそういう生臭さを前面に押し出してきていている。しかもその話が所謂信用できない話者というやつで、何が本当で何が嘘か話者も登場人物も虚実の膜の向こうとこちらをあっさり通り抜けて、その混乱を存分に楽しめるし。サイコとかそういうのではない、密やかな狂気が満ち溢れてました。2018/07/05
坂城 弥生
51
全十巻読み終わりました。シリーズ通して『人』の話が多くて、よくわからないものから、共感できるもの、狂気…やっぱり一番怖いのは生きてる人間だろうと思わされるシリーズでした。2021/03/10
澤水月
30
何でもない風に過ごす人間の裏にふとおぞましいものが覗く怪奇(Googleマップで確認する地味な女の家の話、マスク女集う風俗)や虚言か真実か語り手もその知人も信用ならない話(最終話2pなのに壮大)紡ぐ著者の真骨頂、終刊で「あの女」呪縛から離れ筆が自在に感じ心地よく翻弄された。プロ作家の文章は違うなといつも感心するも怪談専業の方とは微妙に違う書き味や物事の伏せ方出し方の危うさも魅力でクセに。新シリーズも綺談だといいなあ。2018/07/10
くさてる
25
とうとう10冊目で終了。岩井志麻子の新刊というと、まずはこれという感じだったので終わるのは残念。内容的には、この著者の実話怪談らしい不気味さと居心地の悪い感じの話がたくさんで面白かった。やっぱりこの人は豹顔ではしゃいでいるだけのひとではない。なので、また小説を読みたいです。2018/07/21
ミエル
24
小噺のような怪奇譚、読み応えあり。このシリーズはひとまず終了とのこと、少し残念。ものすごく怖い訳ではない日常のふとした不可思議にゾクッとする。やはり生きてる人間の情念は怖い。2018/07/07
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