内容説明
著者の体験をもとに、強く明るく生きる少年・中岡元の姿を通して、原爆の恐ろしさ、命の尊さ、そして平和への強い願いが込められた名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
120
激動時代を必死に生きる中岡元の半生。1巻は戦争反対論者を家長に持つ中岡家の戦中生活。暴力が君臨する不条理に何度踏まれてもまっすぐ伸びる逞しいゲンが牽引するストーリーテリングはパワフルかつスピーディーで間断がなく、エンターテイメントとしても十分魅力的。一方、歴史考証は粗が目立ち、落下傘はまだしも計画に不参加のアインシュタインが実験に立ちあう描写はいただけない。実体験と見聞に裏付けられた世相風俗や被爆の描写は卓越しており、時代の証人としての資料的価値を有する。父と姉弟を亡くす場面は苦痛なしに描けなかったろう。2023/08/11
のぶのぶ
27
再読。この1巻だけでも読む価値がある。後書きを読むとかなり中沢さんの体験に近い。父が本当のこと、しっかりとした状況把握ができていた分、非国民と言われ苦労をする。こういう状況だと戦争反対などとは言えなくなってしまうのだろう。元の相手を思う気持ちに感動してしまう。「人間らしくいきようとして殺されたのだ。」今の世の中にもあるように思う。多数の意見から外れたところにいる人の生きにくさはあるのだろう。原爆投下後の描写は、本当に地獄。原爆、核兵器、絶対に使ってはいけないと強く思う。次巻へ。2016/09/10
フリスビー
17
反戦・反核を善とする政治勢力、悪とする政治勢力、双方に利用され不幸な扱いを受けてきた作品。漫画としての評価は政治的主張とは関係なく、ただ純粋に読んで感動できる、それだけで充分に価値があると思います。フィルターがかかる前、子どものうちに読んでおきたい作品ですね。2013/08/16
にゃむこ@読メ13年生
13
小学生の頃に図書館で借りたものの、あまりの恐ろしさに読むのを挫折してしまったので、イイオトナになった今、改めて。原爆投下のシーンは思っていたよりも遅く1巻の3分の2を過ぎたあたりから。それまでは原爆投下前4ヶ月間のゲンたちの生き様を描いている。自分が正しいと信じた言動でも(そして実際それが正しかったとしても)やはり戦争真っ最中では、反戦寄りの言動は非国民扱いを受けるのは必至だろう。全7巻に及ぶ物語はフィクションではなく、70年近く前の我が国で実際に起きていた愚かしいことなのだと深く心に刻まねば。2013/08/08
c_a_m
12
尖閣諸島に竹島問題に揺れる今、初めて読んだ。これ読んだら日本の弱腰外交に腹が立ち、原爆落とされてなんで許してるんだ?と思ったけど日本は負けたからなんだ。そろそろ戦争の記憶を持つ方々はいなくなるだろう。でも気持ちは消えない爪痕。ナショナリズムを台頭させるような事件ばかり起きているけど、起きていいんじゃないかなと想ってしまう。原爆は終わらず、遺伝の癌に苦しむひとがいる。そのことは許しちゃいけない。いかに勝つか、ペンは剣より強いときもある。政治家はみんなゲンを読むといい。散文になっちゃった。。2012/08/20
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