中公文庫<br> 背教者ユリアヌス(三)

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中公文庫
背教者ユリアヌス(三)

  • 著者名:辻邦生【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2018/03発売)
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  • ISBN:9784122065413

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内容説明

カバー・ネーム
今日の決戦こそが諸君の名をローマ戦史のなかに不朽のものにするだろう――皇妹を妃とし、副帝としてガリア統治を任ぜられたユリアヌス。普遍の真理を地上に顕然させようとする真摯な彼の姿は、兵士たちの心を打ち、ついにゲルマン人の侵攻を退ける!【全四巻】
〈解説〉須賀しのぶ
〈巻末付録〉『背教者ユリアヌス』歴史紀行

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tosca

28
副帝としてガリア統治を任ぜられたユリアヌス。繊細な哲学青年が、軍を統率してゲルマン人の侵攻に立ち向かえるのかと心配になるが「哲学や修辞学を学ぶ事と戦略を練る事に大きな違いはない」と考え、巧みな戦術でゲルマン人を打ち負かす。兵士や民集の支持を得て人気も上がり、読んでいてホッとするも、皇帝の嫉妬や皇帝派重臣達の度重なる嫌がらせに穏和で慎重なユリアヌスもブチ切れた。こうなると面白くて読むのを止められない。副帝となっても時間を見つけて読書や執筆に励む姿を想像すると、古代ローマ人がとても身近に感じられる。四巻へ2024/02/27

たかしくん。

26
既に4巻を読み始めていることもありますが、この3巻がユリアヌスのピークでしょうね。ガリアでの対ゲルマンとの勝利で、ついこの前までの哲学青年が、もはや誰もが認める名将に。 特に彼がガリア拠点としたルテティアことパリの風景は、これまた著者らしい穏やかでかつ絵画的です。早くも始まった皇帝の妬み、皇帝の腹心による抵抗勢力ぶり、一方では、エウセビア妃からはほぼストーカー行為?!どろどろした人間模様の末に、遂には本当の皇帝に! ここで、旧知のゾナスやディアが登場するのは、いい意味で物語らしい~♪2018/05/01

あきあかね

23
 どこへ向かって流れてゆくか分からない運命の流転。ローマ帝国の副帝としてガリア統治に当たっていたユリアヌスの人生は本巻で大きく転回する。皇帝コンスタンティウスに対するガリアの民衆や兵士たちの不満を受けて、皇帝と雌雄を決する時が迫りくる。 ガリア軍団を率いて東征するユリアヌスは兵士たちと同じように刻苦し、粗食に甘んじ、彼らを気遣う。他方で、兵士たちを鼓舞する演説を行い、綿密な戦略を練り、的確な判断を下していく。そこには英雄としての理想のリーダシップがある。⇒2021/06/07

シタン

21
副帝としてガリアを統治する日々。心を動かされる演説や、戦略に対する考え方が印象的。哲学や修辞学を学ぶことと戦略を練ることにほとんど違いはないし、哲学は人間の営みと離れていてはならないという。ゾナスによれば、ユリアヌスはマルクス・アウレリウスやトラヤヌスをも超える、下層民の心にも通じ、かつ高邁な哲学と古典を通して精神の高みを知る哲人政治家になり得る存在なのだった。しかし、ユリアヌスらガリア軍団は叛旗をひるがえして首都に進撃を開始した! 相変わらず物語の紡ぎ方がうまい。ユリアヌス・アウグストゥス(皇帝)!2020/12/05

崩紫サロメ

19
副帝時代、ガリアでの日々。このガリアという空間のリアリティに圧倒され、東奔西走するユリアヌスを追いかけるように読んだ。巻末エッセイを読んでいると、本作の執筆はパリ、つまり当時のガリアであったこととちゃんと関連しているのだなぁ、と、2周目以降はこういう創作秘話が面白くなってくる。キャラクターとしては皇后エウセビア、皇妃ヘレナのユリアヌスへの愛と狂気じみた行動、美貌の財務官サルスティウスの奮闘、それから何か印象に残ってるのが「えーむ」が口癖の司教など、いろいろと魅力的。2020/12/03

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