内容説明
1986年、まだネット黎明期のカリフォルニア・バークレー。事件の発端は75セントだった。ローレンス・バークレー研究所のコンピュータ・システムの使用料金が75セントだけ合致しない。天文学研究のかたわらシステム管理者をつとめる著者の初仕事はその原因の究明だった。やがて正体不明のユーザが浮かび上がってきた。研究所のサーバを足場に、国防総省のネットワークをかいくぐり、米国各地の軍事施設や陸軍、はてはCIAにまで手を伸ばしている!
―インターネットが世界を覆いはじめる前夜、「ハッカー」の存在を世に知らしめた国際ハッカー事件。その全容を当事者本人が小説のような筆致で描く。トム・クランシーも絶賛した世界的ベストセラー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naotan
19
90年代のインターネットを懐かしみながら読んでいたら、ドイツが東と西に分かれていた時代の話でした。主人公の努力が下巻で報われますように。2019/03/20
まーくん
10
ネット黎明期の1986年。ローレンス・バークレイ研究所のシステム管理者であった著者が、僅か75セントのコンピュータ使用料金の差異を発端に、同研究所のシステムを経由し軍関係施設のシステムに侵入を繰り返すハッカーを発見。追跡が始まる。なつかしい用語が沢山出てくる。VAX、UNIX、イーサネット、1200ボー、フォートラン。真似出来るわけじゃないけどハッキングの手口も。本書は1991年発刊単行本の文庫化。今は猫?もインターネットを使ってる。コンピュータ世界の進歩は速い。いよいよ追跡も佳境に。さて下巻に進もう。2017/12/16
barcarola
5
コンピュータやネットワーク関連のコラムなどで時折目にしていたタイトル。ようやく読むことができたが、なるほど、これは面白い! インターネット黎明期の用語が次々出てくるあたりが楽しくも懐かしいのである。が、そこが本書の難点とも言える。ある程度の知識が無いと面白さも半減してしまうかも。ともかく、引き続き下巻へ。2018/07/08
roughfractus02
5
インターネット普及以前(1986)、著者は偶然国防総省のネットワークから入って陸軍のデータベースやCIAの情報まで読む何者かに気づき、歴史的ハッキング事件に遭遇したことを知る。天文学者の著者とEmacsの脆弱性を突いてスーパーユーザに成りすますハッカーとのやり取りは迫真的だ。見えない敵を追い詰める著者の筆致は軽快で読みやすい。が、本書はハッカーなる未知の存在とその違法性の自覚が不足した時代を伝える歴史読み物に留まらず、Unixユーザの好奇心を満たす描写を盛り込んで読者の今に起きうる出来事として描いている。2018/07/01
ふたば@気合いは、心を込めて準備中
5
生半可なミステリ小説よりよっぽど面白い。特に後半は一気に読んだ。まだ、ネットワーク犯罪が多様化していなかったこの時代に、姿の見えない敵に挑むのはラクではなかった。この勢いで下巻に突入!!2018/01/18