内容説明
科挙試験を好成績で合格し、新米官吏となった茉莉花。ところが珀陽は、「早く手柄を立ててね」とまたも無茶を言い出す始末。そんななか、赤奏国の皇帝が突如やってきて女性官吏に世話をさせろと言い出し……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
84
第二弾。茉莉花、文官スタートを切って最初の物語というところ。腹黒演技派な茉莉花、良いですね!副題にもなっている珀陽の台詞が感慨深い。ところどころ分かりにくい言い回しや心情がある気がするけど、細かいことを考えずに楽しみたいです^^ 後宮じゃなくて官吏として出世していく話は彩雲国物語以来かも。しかもこのまま地方に行く流れも…!ようやく暁月の話が読めたので、先に買ってしまった十三歳皇后〜を読み進めようと思います。2020/05/08
よっち
48
科挙試験を二番の好成績で合格し新米官吏となった茉莉花。赤奏国の皇帝・暁月が目的もわからぬまま突如来訪し、己の世話役を女性官吏にしろと言い出す第二弾。先輩女性官吏・玉霞と暁月の世話役となり、実質的に細々とした対応をこなしてゆく茉莉花。同僚や先輩女性官吏たちの官吏としてのありよう、そして皇后派と反皇后派・統一派と反統一派を巡る争いも垣間見えて、覚悟を決めて責任に向き合い、人のために奔走する茉莉花の成長と、そんな彼女と珀陽が交わした約束が印象的でした。大変なところを選ぶらしい地方転出でどうなるのか続巻にも期待。2018/08/29
アイシャ
43
科挙試験に全体の2番で受かった茉莉花。研修が始まると同時に南奏国から皇帝が訪れて、女性官吏の玉霞とともにお世話係になる茉莉花。傲岸不遜でわがままと言われている暁月だが、後宮で難しい人間関係を女官として渡り歩いてきた茉莉花にはむしろ分かりやすくて御しやすいようだ。このへんがこのシリーズの面白いところなのかも。茉莉花は記憶力抜群で優秀だが、同時に女性らしい気働きもできる。官吏になるのだから男性と同じようにしようという感覚を持たない。白楼国内の反乱を未然に防げてよかった。今後地方で働くことになるようだ2024/02/10
すがはら
41
1巻で珀陽は「中興の祖」となったと書いてたはずですが?まあ、在位が長かったとはありませんでしたけど。このシリーズは、珀陽が10年程でうまく退位したうえに女性官吏の婿に収まるための上手い方法を見付けることで終わるのでしょうか?この方の作品はどうも、両思いの癖に妙に恋愛とか結婚に理屈をこねるようになるのですね。仁耀の主張はひどい。茉莉花が叫んだのをきっかけに飛び出したのは確かでも、元々暗殺を決行したのは自分なのに、それで茉莉花に尻拭いを迫るなんて図々しすぎです。玉霞ともども、いつか恩返ししてくれますよね?2018/05/24
はなりん
34
シリーズ第2弾。官吏として働き始める茉莉花に、隣国の我が儘皇帝のお世話係の役目が・・・。隣国の皇帝の我が儘にも裏がありそうで。宮廷での派閥や女性官吏の地位の話と反政府派の動きなどが色々絡み合って、それを全て最小限の被害で済むように動く皇帝拍陽がなんか凄い。茉莉花の能力も凄いけど、それをきちんと使いこなしている拍陽がどこまで見越しているんだろう?騒動を起こそうとした官吏にも戻ってくる場所を用意できる懐の深さに拍手。2020/10/11