内容説明
世界的リゾートグループのパリ本社で激しい権力闘争に巻き込まれる松平貴子。中国の富豪・将陽明と娘の美麗はあらゆる手を尽くして事態を混乱に陥れる。冷酷な買収者・鷲津の影もちらつき、中国内部の暗闘も表面化、物語はさらなる局面へ。ミカドホテルの運命は? 「ハゲタカ」から生まれた国際サスペンス劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
248
大好きなシリーズだからか少し期待をしすぎたかな?3作目のレッドゾーンへと連なる2.5ですが、既読のためか若干の蛇足感が否めない。異様な権力闘争が繰り広げられる中、頼みの鷲津にも見放される貴子。万策尽き覚悟を決めた貴子には何故か救いの手が。『正直』『隠し事なし』という一見何の戦略戦術も持たない最弱のカードが、実は最強無双の『誠心誠意』に繋がるのか。コロナ禍という未曾有の社会危機、平時に強い大企業や頭の良い優れた者達も同様に危機に陥っている。こんな危機だからこそ真の誠心誠意が試されるのではないだろうか‼️🙇2020/05/21
小説を最初に書いた人にありがとう
108
ハゲタカらしからぬ血生臭い展開だった。経済小説ではなくバイオレンス小説だった。中国ってほんとにそんな国なのかなと思わせる怖さを感じる。松平貴子の成長ぶりには目を見張る。美麗の記憶が戻るとき、また荒れそうな予感を残し読了。ハゲタカ3は賀一華が主人公だった記憶。今なら読むとしたらもっと憎しみをもって読めたんだろうな。ところで鷲津はなにしてたんだ!2017/12/13
sayan
75
うーん、ちょっと期待外れだったか。いつもの経営権(主導権)をめぐっての緊張感あるやりとり、敵の敵は味方といったストーリー展開からすると消化不良。アカマ自動車を舞台にした映画の鑑賞後イメージが強すぎたせいか、迫力が小さかった。中国を絡ませる箇所が少し表面的だったのではという印象を受ける。対立軸がなんだたったのか、何をモメンタムにストーリーが展開していくのか、少し個人の「想い」部分が強すぎた印象が否めない。数字があまり出てこなかったからな。とは言え、スピンオフ作品として移動中の機内で読むには十分に面白かった。2018/05/16
カレイ.シュウ
48
さて貴子は金色屋の再生を果たせるのか…。経済小説と思っていたらスパイの暗躍、中国国家安全局の血なまぐさい権力闘争を描くハードボイルド?サスペンス?ものでした。途中からは企業再生、買収劇は脇に追いやられ、美麗さんの女ミッションインポッシブルとなり、ハゲタカとはまるっきり違うジャンルの小説です。それなりに面白いのですが、ハゲタカシリーズを名乗らなくていいのでは?2018/09/08
penguin-blue
47
今回はアランの死にまつわる謎を解くのと、ミカドホテルの再興という大きな2つのテーマがあってどちらもそれなりに解決はするものの…こんなに暴力的かつご都合主義的に話を収めていいものか。あくまで経済小説としてのハゲタカが好きなのに、途中から何だかバイオレンス小説かなにかを読んでいる気分になってきました。まあビジネスはきれいごとだけではいかないのかもしれないけど、再生への強い意志を持つ従業員や経営者の気持ちのベクトルが示す方向へ、極力ビジネスの世界の中だけで納まりを付けてほしかったよ。2019/07/27