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内容説明
騒然とした日々の出来事から、普遍の教訓を抜き出す珠玉のエッセイ集。
「イスラム国」が引き起こした戦争とテロが世界を震撼させる一方で、EUは揺らぎつづけ、ついにイギリスが離脱。その間も難民の流入は止まることがない。アメリカではトランプ大統領が誕生し、その発言が物議をかもす。そして日本はいまだ不況から抜け出せず……まるでローマ帝国の滅亡を思わせる激動の時代に、私たちは生きている。
古代ギリシア、ローマ帝国、ルネサンス時代の歴史との対話を、およそ半世紀にわたってつづけてきた著者は、移りゆく日々の情勢を扱いながら、そこから歴史の教訓を抜き出す。
「宗教は、人間が自信を失った時代に肥大化する」
「民主政が危機に陥るのは、独裁者が台頭してきたからではない。民主主義そのものに内包されていた欠陥が、表面に出てきたときなのである」
「歴史を経ることで人間は進歩するとは思っていない」
世界情勢だけではなく、祖国日本への愛にあふれた提言や、先達として後輩女性への率直なアドバイスもつづられる。
月刊「文藝春秋」で好評連載中の「日本人へ」をまとめた第4弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
170
塩野七生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。日本人へのシリーズも4作目となります。あまり日本で報道されない欧州の状況も良く解ります。日本だけでなく、世界の政治家のレベルが下がってきているような気がします。現代にもマキャベリのような政治家が存在すれば良いのですが・・・塩野七生に日本初の女性首相になってもらえれば良いのかも知れませんが、無理だろうなぁ!2017/10/29
まちゃ
67
ヨーロッパから見た世界情勢、祖国日本への提言など、ウィットに富んだ内容のエッセイ集。心ある辛口の主張は、一読の価値あり。/ユーモアとは、人間の持つ資質の中でも最も高等なものではないか。/日本にとって最も重要なことは、二度と負けないこと。勝たなくてもよいが、負けないことだ。/政治の仕事は危機の克服2017/11/26
金吾
40
○歴史的視点から現代を解析しており、違うと感じるところもありますが終始一貫しているためわかりやすく面白かったです。スピーチを聞いたときに支離滅裂な状態になりましたが、ご本人も長時間話すとまとまらなくなると書いているのは少し微笑ましく感じました。また朝日新聞に対しては言われる通りであり、結果的に国際的に改善出来なかったと思います。2022/03/22
おさむ
38
文藝春秋の連載をまとめたもの。作家生活50年を超えてますます意気軒昂な塩野さんの放談は下手な遠慮がなく、論旨明快で気持ちが良い。与党びいきすぎるのだけは気になるが、まあそれも個性。異国で筆1本で生きてきた人の言葉は重みあり。一番面白かったのは、なぜドイツ人は嫌われるのか。イタリア人から見たドイツ人観がよくわかります。この1編だけでも一読の価値がありますよ。2018/01/31
まーくん
36
気分転換にと購入。長年、地中海世界を舞台にした歴史物語の著作に取り組まれて培った見識とイタリア在住の立場で身近に感じるヨーロッパ政治への分析・批判さらには日本の政治・経済への鋭い切込み。「なるほど」「そうだそうだ」と感ずること多々ありましたが、なんだかな??この先生には”時事放談”の爺さんのような言説は似合わない気がする。やはり今度は、読む者を歴史の舞台に引き込む、主観的解釈に満ち溢れた本来の著作を読むことに。で、本書、気分転換にはなりました。2017/10/14
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