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内容説明
戦争に慈悲は無く――。 東西ヌミディアを巻き込み争う形になったカルタゴとローマ。前哨戦でジスコーネ率いるカルタゴとシュファクスの西ヌミディアの連合軍は数でローマ軍に勝っていたものの、スキピオの軍略の前に一敗地に塗れて敗走。さらにバグラデス川で争うことになった両軍の戦いは再びローマに軍配が…。果たして、劣勢を極めたカルタゴの選択した次なる一手とは…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっちー
15
ザマの戦い目前まで来ました。ヌミディアの混乱は収まり、マシニッサは王となった。しかしここまで戦ってきた彼に差し出された答えは残酷。戦乱の時代において命は儚く軽く。その無情をガイウス君が語るのも感慨深い。偉大な兄を持ってしまったことで翻弄されたであろうマゴも死んでしまった。そして同じ時代に生まれた2人の英雄の会談は胸に迫るものがあった。ハンニバルがいなければ、スキピオは多分歴史に名を残すことはなかっただろう。歴史というのはつくづく不思議で皮肉。2017/09/30
getsuki
5
この終盤にきて戦に敗れるとどうなるか……を改めて見せつけられた次第。彼女の最期は哀れとしか言いようがない。いつの時代も女は時流に翻弄されながらも懸命に生きる。たとえそれが裏切りという形であったとしても。でも、それは男性には中々理解されないんだよねぇ。2018/09/19
新天地
5
この巻を読んでマシニッサとソフォニスバのくだりはきっとどの時代のどの国にもあった悲劇ではと思わせた。そこでのガイウスの「命の軽さ」についての言葉が彼もまた大切な人を失ったからこそ説得力があった。ガイウスがこの作品で一番成長したんじゃないか。そしてハンニバルの「国力」のくだりがどの時代のどの国にもあったことどころか現代にもしっかりと当てはまると感じた。さらに会談でハンニバルのスキピオへの「大きな穴」のところは今後のスキピオのたどる道を暗示しているな。2017/09/23
鈴
4
戦術の面白さは鳴りを潜め、どんどん人間臭いやり取りが増えているところに終末を感じて寂しい。ハンニバルとスキピオの直接対話が叶うが、スキピオがまだ野心に燃える若造であった時に叶っていたら、少し違う展開だったのかな。戦争ってこういうものなのだろうけど、やっぱりやるせない。もう正義は何処にも見当たらない。2020/12/27
さとみん
4
15年という歳月を費やした戦争の終わりが見えてきた。事の起こりが何であれ、流しすぎた血は歩み寄りを阻む河川となる。ハンニバルが取りこぼしたものは、全てスピキオが拾ったと感じた和平会談が印象的。2017/09/24