内容説明
虚実の境が見えなくなってしまった時、人にとってあらゆるものが、怪異となり得る危険を孕んでしまう――。現役拝み屋が体験した現世のこととも悪夢とも知れない恐るべき怪異。すべてのはじまりは20年以上前、ある日曜日の昼下がりに出会った一人の少女だった。その少女、14歳の桐島加奈江は果たして天使か怪物か、それとも……!? 訪れた災禍を前に恐れおののく一方で、必死に解決を図ろうとする拝み屋の衝撃実話怪談!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
165
「拝み屋怪談」シリーズに登場してきた謎の存在「桐島加奈江」。本作で一応の決着。とは言え、過去のシリーズを読んでいた読者には既読のエピソードを再読させられるために、なかなか読む側も苦行である。最後も正直に書くと今一つであった。積み重なる仏壇のエピソードも現実味がないのだ。今までの「拝み屋怪談」シリーズが怖くて面白かっただけに、私も期待が高く残念に感じた。作者が何を書きたかったのか、担当の編集者も何を書かせようとしたのかよく分からず。怪談を読みつつ昼寝する経験をした。「拝み屋怪談」シリーズは卒業しようと思う。2017/08/27
ゆみきーにゃ
87
《購入》桐島加奈江まるごと一冊。郷内さん好きだけど、今回ははっきり言って長い。実話なんだろうけど、創作怪談を読んでる感が拭えず、最後の終わりもなんだかな~。期待していただけにガッカリ感満載の一冊になってしまい残念。2017/06/27
HANA
73
丸々『怪談始末』で触れられていた「桐島加奈江」を巡る物語。とはいうものの初めの部分では前著と重複する部分が多く、その後もそのほとんどが著者の心理状態を描いているので、ぶっちゃけ退屈。この退屈さと冗長さは大正や昭和の私小説と共通するものがあるな。さらには本書で描かれている怪談が客観ではなく著者の主観を元にしているため、それが物語に入り込む困難さに輪をかけているようにも思う。優れた怪談やホラーはその恐怖を読者と共有する部分があるように思うのだが、本作は著者が怖がっているのを横で見せつけられているような感じか。2020/04/14
眠る山猫屋
43
実録怪談?正直なところ、少し退き気味に読んだのだが・・・なかなか面白かった。主人公に幼少期からつきまとう少女の幻影。どこまでがリアルなのか、妄想なのか、それとも・・・。拝み屋という職業でありながら、怯え恐れ、それでも自分を見つめ直す姿勢には感嘆。惜しむらくはラストの駆け足感。感情過多になっちゃったのかな?時折挿入される怪奇事件がおっかない!廃棄された仏壇の山とか、真っ黒な妄想に汚染される拝み屋のお祖母ちゃんとか!2018/03/12
cao-rin
38
シリーズを通して謎だったラスボス「桐島加奈江」との決着。ある意味、やっぱりそうだったかと思う。加奈江については過去の作品と被るので、読メの中では食傷気味といった感想もあったけど、作者の思い入れの強さも感じ、私はそれ程苦ではなかった。それよりもこれで加奈江ともお別れかと思うとにわかに寂しささえ感じる。それにしても終盤の「異話」、もう何コレ〜?!ってくらいおぞましい。一体誰が何をどうしたくてこんな事するワケ?こんな事しでかす人の心が何より恐ろしい:(´◦ω◦`):2017/07/26
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