内容説明
ビブリオバトルとは、本を通して人をつなぎ、人と知識をつなぐ知的ゲーム。夏休みに入った美心国際学園(BIS)ビブリオバトル部は、造り酒屋を営む武人の家で夏合宿を開催する。夜、武人の両親や祖母を招待して行われたビブリオバトルのテーマは〈恐怖〉。部員たちはロウソク一本の明かりを頼りに、とっておきの怖い本を紹介するが、投票段階にとある不思議な事件が。さらに、公共図書館で行う〈戦争〉をテーマにしたビブリオバトル実演会の発表本決めで、武人と部長の聡が言い争いになり……。本格的ビブリオバトル青春小説シリーズ第2弾!/解説=福田和代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
44
「恐怖」がテーマのビブリオバトルでは、タイトルの意味が明らかになり、じいんと感動する。「戦争」がテーマのビブリオバトルでは、部員同士の意見が紛糾することもあったが、それでいて双方相手の思想にも敬意を表しているところが好ましかった。「他人の読書傾向を蔑んではいけない」部長のモットーは、読書の喜びを共有しようとしている者として、絶対忘れてはならないことだなと思った。武人が葛藤する、戦争を体験した者とそうでない者のギャップ。体験した側から贈られた「そのための本でしょ?」という言葉は、深く深く心に刺さった。2017/03/04
geshi
37
〈恐怖〉をテーマにした夏合宿のお風呂回と〈戦争〉をテーマにしたイベントの二本立て。キャラクターの掘り下げを丁寧で、特に武人と部長の戦争関連物をキャラクター化することを認めるか否かの話し合いが好きだった。双方の意見が公平に扱われ、わだかまりが起きそうになっても最終的には互いの主張を飲み込む所へ落ち着ける理知があるからこのシリーズは信頼できる。部員達の個性に合わせた本を取り上げながら戦争を様々な視点から知ってほしいというスタンスで、前作ほど自分の思想を表に出していないのでほっとした。2017/07/10
アナクマ
30
ビブリオバトルを小説の題材にすることで、合法的に本の蘊蓄を開陳しまくれるという構成。と感受性豊かな青春群像。組み合わせ・目のつけどころが良かった。◉著者の読書遍歴をどっさりと注ぎ込む作りは「神沈」と同様。だけど読者層をぐっと若めに調整しているからか、終章まで辿りつけず。◉目にするもの/出会う情報の全てがキラキラして目新しく、全部たいらげてしまいたかった頃が懐かしい……なんて言い出したらそれは老い。歯が悪くなるってのにスルメをじくじくとしがむような読書、それは成熟(という悔し紛れ)。→2020/05/08
enmys07
30
ビブリオバトル部第2作目。 今回のモチーフは「怖い話」と「戦争」。 相変わらず熱いバトル。 そして、それに付随したキャラの深掘り。 自分はミステリーベースだから読んだことない本ばかりだったけど 面白かったなぁ。 空がSFベースなので、創元SF文庫のレーベルだったのかな。 新キャラも出てきたし、今後どのように絡むのかも期待。2017/02/20
ヨーイチ
28
シリーズでは三作目なのに二冊目として読了。間が抜けているのに気付かなかったぁ!全体のコメントはまたいつか。本の紹介で充分なのでストーリー展開を忘れてる。2022/10/17
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