内容説明
空のデビュー戦から四日後。ビブリオバトル部の部室では緊急ミーティングが開かれていた。六月の終わりに対戦試合を予定している他校の生徒が、不正を画策しているのではないかという疑惑が浮上したのだ。部内に流れる不穏な空気を打ち破ったのは、対戦試合に自分を出させて欲しいという空の申し出だった。彼女は勝ち負けとは関係のない、一つの目標を胸に抱いていた。それは、SFに理解のない武人に、ビブリオバトルでSFを読みたいと思わせ手を挙げさせること。「必ずあなたに勝ちますから!」――突然の宣戦布告に驚く武人だったが……。/解説=池澤春菜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
111
2016/5/1 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2017/12/4〜12/7 なるほど、そういう終わり方だったのか。ビブリオバトルにはオーディエンスとして何度か参加したことがあるが、プレゼンターの側から見ると、そういうことなんだろうな。最近の若い人達は、本を読むことがカッコ悪い、と思っている節があるが、他人の人生や、実際には体験できないことが、数百円で体験できるのだから、ビブリオバトルをキッカケに、本を読む、本を愛する人が増えて欲しいなあ。続編もあるようなので、楽しみ。2017/12/07
mocha
105
若い人たちにもっとSFを読んでほしいという願いを形にした本。下巻ではビブリオバトルを通して心ない「差別と偏見」に挑んでいく。ラノベ的キャラクター達のおかげで重くなりすぎないのがいい。社会派ノンフィクションから仮面ライダーまでたくさんの本が登場するが、執筆に当たって作者が読み調べた本はどれだけの量になるのだろう。次巻以降「怖い本」「戦争」「ミステリー」などのテーマでビブリオバトルが展開されるらしく、とても気になる。そしてまた読みたい本が増える・・。2016/10/18
ユメ
58
この本を読んで私がビブリオバトルに興味を引かれた一番の理由は「自分の嗜好を他人に押しつけてはならない」というモットー。無論、本への「好き」は存分にアピールしていい。けれど、他人の発表を聞いて批判や揚げ足取りをすることはルールで禁じられており、参加者全員が楽しめるよう配慮することが明文化されている。好きな本への心ない言葉で傷付いた経験のある人間としては、そこが嬉しい。性善説に則ったルールにつけこみ悪意を広めようとした蟹江に対し、議論を持ち込むのではなくあくまで本への愛を語ることで対峙した空がかっこよかった。2016/05/26
ほのぼの
56
下巻に入ってからストーリーは「人種差別」や「世界平和」など…ワールドワイドに拡大。もう高校生の部活では手に負えないんじゃ、と心配になる。そんな中、空ちゃんが公立校から編入してきた理由が明らかになる。胸が痛む。空ちゃん、よく耐えた。(涙)空にとって初めての校外試合。ビブリオバトルがただの本の紹介にとどまらず「バトル」と称されるに相応しい熱戦が繰り広げられる。しかし、それを正義の暴走だと叱った朝日奈先生。カッコいい!BB部のメンバーに囲まれた空ちゃんの【ああ、楽しい】という気持ちに安堵。私も楽しかったよ。2025/10/06
いちろく
49
文庫版にて再読。上巻がSF史の教科書の印象なら、下巻は人に本を紹介する事について今一度考えさせてくれる印象を持つ。本編で取り上げられている内容は極端過ぎると感じられるけれど、自分自身を顧みる分には解りやすい。物事を客観的に見てくれる朝日奈先生の存在が、やっぱり素敵だ。ビブリオバトルの最後の投票がなければ、本紹介型読書会と変わらない、と以前頂いたコメントを思い出した。ビブリオバトルでも、本紹介型読書会でも、主役は人ではなく本である。自分も読書会に参加する時は、常に忘れないようにしたい。2017/04/08
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