内容説明
ついに高野山入りを決意した西行。「これからゆく道は修羅の道」と世俗や自身の内面と決別するため、新たな一歩を踏み出す。一方清盛は、朝廷内での権勢を高め、大いなる野望に近づいていく……。著者会心の大河伝奇絵巻、動天の第三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はかり
12
三巻目読了。出家した西行は心の安らぎを求めて高野山に行く。それでも清盛に会うためや歌のためしばしば京にも赴く。陸奥へも行く。堀河とは恋なのか?保元の乱が勃発、清盛が台頭するのか。為朝は正に豪傑だった。2016/07/11
NAO
11
時代が大きく動く中、西行が意外なところで多くの武者たちと関わっていることに驚いた。佐藤義清が出家していなかったら、どんな武士になっていたんだろう。「鴫立つ沢の秋の夕暮」の歌にまつわる話が、よかった。2015/05/01
眠る山猫屋
10
時代の変革期に、西行の周りの大切な人々が去ってゆく。西行を支え、見守り、影から助けてくれてきた人々。恋した人々が、友が、敵ながら影響を与えあってきた人々が消えて行く。都を覆う大乱を経て、残ったものはなんなのだろう・・・。2016/01/07
ゆうこ
10
西行が高野山に入ったことよりも、都で勃発した保元の乱がメイン。腹の探り合いをし、政を考えるのではなく、あくまでも、自分を守るのは、守ってくれるのは誰なのか…。だからこそ、親兄弟が殺し合う姿になる。西行、よくこの場面で弓を手にしなかったな…と思う。いよいよ清盛が出てくるのか、最後に進みます。2015/08/04
火烏
8
信西が小物くさく、視点の微妙に退いてる感がだんだん大きくなってくるような。今昔物語だったか、何だったか、西行さん一人で寂しかったので人造人間を作りかけた話なんか出てくるのかなあ2015/04/19