内容説明
ソフト帽を目深にかぶり、外套の襟を立て、月夜に煌めく黄金の顔。ゆがんだ口元には一筋の血。東京・上野に大怪盗・黄金仮面が出没し、「志摩の女王」という宝石をまんまと盗み出す。早くもその正体に気づいた明智小五郎は、怪盗一味に次々と命を狙われることに――。ついに標的は国宝の玉虫の厨子。事件現場に残されたA・Lの文字の謎とは? 華麗なる強敵と対峙する、驚嘆すべき名勝負!
目次
黄金仮面
明智小五郎年代記6 平山雄一
解説 東山彰良
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
48
図書館の新着コーナーで目にして手に取った。子供の頃、ポプラ社の少年探偵団シリーズで読んで、黄金仮面が怖くて怖くて、夢にまで見たのを思い出す。が、今読むと、乱歩の他の作品に比べて、ライトな娯楽作。それにしても、自分の中では、黄金仮面の正体は、怪人二十面相だったのに、まさか、世界的に有名なこの人物だったとは・・・。今、調べると、ポプラ社のシリーズの黄金仮面は、子供用にリライトされたもので、小林少年を出したり、ストーリーも違うよう。もしかすると、黄金仮面の正体も違った、ということはないか。2016/11/24
たろさ
16
この頃の乙女は怖い顔をした刑事に問い詰められるより擽られる方が恐ろしいらしい。今まで何度も数々の犯人を逃しているのに明智探偵の信用が崩れないのは最終的に事件が一応解決しているからだろうか。ルパンは読んだことがないがなんとなく嫌いになった。2018/07/18
雪之助
11
黄金仮面の正体は有名な怪盗A・L!あまりに凄い設定にびっくり。そして明智探偵は今回も犯人に逃げられたり「本当に名探偵?」と訝ってしまうシーンも多々あって、そこがまた面白かった。2018/05/26
カズザク
5
明智小五郎が、とうとう世界のルパンを相手に…大風呂敷を広げ過ぎの設定が笑える!明智もルパンも、スゴイんだけど、どこか抜けている。所々ツメが甘いところが、愛嬌、人間味があっていい。大鳥不二子…峰不二子は、ここから?(後書きを読んだら、違った…)部屋丸ごと…動いたらわかるだろ!って、心の中でツッコミつつも、大胆で大掛かりな、今の小説では絶対にありえないトリックが、かえって新鮮だった!やっぱ、古くて新しい乱歩は、読んで楽しい!2017/08/18
kiiseegen
5
かなり久し振りの再読なだけに新鮮さがあり楽しめた。A・Lとの対決‼︎物語りはもちろんのこと、巻末のクロニクルもすっかり楽しみになって来た。2016/12/19