集英社文庫<br> 明智小五郎事件簿2 「一寸法師」「何者」

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集英社文庫
明智小五郎事件簿2 「一寸法師」「何者」

  • ISBN:9784087454659

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内容説明

ある春の夜、浅草公園で小林紋三が目にしたものは、十歳くらいの子供の胴体の上に、大人の頭が乗っかった小男だった。その不気味な男の懐中から、風呂敷に包まれた青白い人間の手が転がり落ちた。同じ時、山野家の令嬢、三千子が行方知れずになっており、百貨店では女性の切断された手首が見つかっていた――。上海帰りの明智小五郎が活躍する「一寸法師」。本格推理の傑作「何者」を同時収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

155
上海帰りの明智小五郎は、ちょっぴり垢抜けてはきたものの、興奮すると頭をかきむしり、ヘンテコさも依然抜けきっていない。スタイリッシュとがさつの中間で妖しく揺れながら、華麗に大胆に事件を解決へ導く。マネキンの手首は人間のそれにすり替わり、ピアノのなかには死体を隠した痕跡が。浅草の街を跋扈する一寸法師は川を越えて向こう岸の異世界へ。鎌倉の別荘では足跡を追って金粉にまみれ、お池にハマってさあ大変。あの探偵は、そしてわたしは何者なのか。将来に不安を抱えた若者の悩みは、昔もいまもさほどかわらない。【石榴忌をまえに】2018/07/21

HANA

69
年代順の明智小五郎事件簿、第二巻。本巻では「一寸法師」と「何者」を収録。ただやはり面白く読めるのは前者かなあ。昔ポプラ社版で読んだ時は冒頭の浅草公園丸々カットされていたので改めて興味深く読めたし、読んでいる最中に散見される東京の地誌。今回改めて再読することによって、コレ大正の帝都を舞台にした都市小説として読めることに気付かされた。「何者」の方は解説である役の立場が入れ替わるっていう点で、後世様々に使われている手法の先駆であることがわかったし。二作品だけであるけれども、両者とも夢中になれる作品でありました。2016/09/15

三代目けんこと

49
「何者」傑作! では次へ…。2021/08/30

酔拳2

49
明智小五郎シリーズ2冊目。短編集かと思いきや、一寸法師という話が意外に長い。大正時代の猥雑な雰囲気を背景にエロありグロありの江戸川乱歩先生の真骨頂!なんていうほど乱歩先生読んでないけど。登場人物は犯人でなくてもみんな結構猟奇好きだよな。相変わらず飄々とした明智もラストはちょっと気を利かせたのかな?言葉が古いからちょっと読みにくい部分もあるが、トリックは色褪せません。2017/12/06

かさお

37
めちゃくちゃ面白かったです😆事件簿1では短編だった事もあり、時代的で個性的なアラカルトといった感だったが、この事件簿2はガッツリ本格推理やん!凄かった!上海帰りとされる明智さん、やっとこの方の人となりも分かってきました。意外と、いけず、というか、捻くれてる、というか、清廉潔白な感じじゃないのね、ええ、もちろん私はそんな彼の方が好みだし。さて、収録作は「一寸法師」「何者」両方名作ミステリだけど、私としては「何者」を推したい。完璧です。乱歩が多くの作家に影響を与えた歴史に名を残す作家である事がよく分かった2023/07/10

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