内容説明
三条女御の策略にハマり、呪詛をかけた犯人に仕立て上げられた塔子。
冤罪を晴らす決定的な証拠を手に入れるまで、宮中の混乱に乗じて故郷・熊野に帰ることに。
「必ず、戻ってきてください」
――明槻との約束を果たすためにも、身の潔白を証明して入内を果たしたい。
なりゆきで始まった東宮妃の塔子に、国母として戦い抜く自覚が芽生え……!? 平安恋絵巻、最終巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
52
最終巻。後白河法皇と白河上皇を混ぜたような京極院、崇徳天皇のような出生の謎を持つ明槻。というような人物設定で展開される物語。熊野で野性的に育ったじゃじゃ馬姫君・塔子がいきなり伊勢斎宮から入内するまでのあれこれ。時々ツッコミたい部分もありながら楽しく読了。④「その想い、ひとかたならず」の付録短編でこの後塔子は中宮になりおしのびで熊野に帰ったりしている。貴哉は相変わらず魅力的で範康の娘・梛子(7歳)は「私、絶対ぐうじさまとめおとになるんだから」と決意している。左近衛大将が好きだ(出世できてよかったねえ)2021/09/23
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
25
祝・なりゆき斎王シリーズ完結♪とても面白かったです。長いこと連載してくれただけあって、平安時代の勉強ができました。斎王が入内するのは歴史的にもよくあったそうですが、あんなに強気で才気のある親王(女王)はいませんでしただろうに。どこの時代も血統とかではなく上に立つ才能があるもが立てばいいもかもしれない。それにしても塔子は上手いことに男の子を生んだのだな。塔子に似ると先は明るい時代だろう。2016/11/18
りー
20
平安ラノベ読みたいスイッチが入り、一気読み(笑)。主人公の内親王が諸事情あって熊野で育ったという設定で、熊野が何度も出てくるのが嬉しい。そして、院政期という設定も珍しいのではないかと思う。最近の作者さんに比べ、読者層の設定が若いので、年齢的に主人公の恋の行方を素直に楽しむ気持ちでは読めない😓けれど、史実のあの設定をここで使うか~…という一歩引いた楽しみかたができた。2022/09/03
かなで
17
最終巻まで早かった。やっぱりこのシリーズ大好きだなあ。2022/03/10
さなえ
10
完結。後一巻でどう決着をつけるのかと思っていたら三条女御との闘いは続くなのね。まあそこを退けたところで宮中での勢力争いが終わるわけではないし妥当なのだろう。最初の頃は蛇蝎の如く嫌っていた左近衛大将が共闘できる存在になったのが意外だった。結局極めてあっさりと一の宮を授かった塔子は凄い強運の持ち主だし、明槻もさらに成長して良き御世になる事と思う。その辺りちょっと見たかったかな。うんやっぱり三条女御に勝つところが見たかった。2016/12/24