内容説明
血筋だけは皇族の塔子は、熊野育ちの元気いっぱいの少女。しかし突然父・左大臣の命で伊勢の斎王に就任させられ、なりゆきで神に仕える日々を送っていた――のだが、父が東宮に呪詛事件を起こしたことが発覚! これで斎王の任が解けると喜ぶ塔子だったが、事態は急転。政敵であり、男色の噂もある東宮への塔子の入内が決定したのだ!! この婚姻には、裏がある――!? 胸騒ぎの平安恋絵巻開宴!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蝶よ花You
35
読者はヒーローの正体に始めから勘付くのに、ヒロインにはその正体が知らされないまま一巻丸々終わる作品というのは珍しい。しかも、その知らないという状況が不自然ではないので、ヒロインが偽りの姿であり自然体でもあるヒーローを見る視点と、彼の正体を把握した上で見る視点(読者視点)の両方で見られて面白い。他の方も言われているように、この作品で起こる事件を神々の逸話になぞらえて語る様は正直読み難くはありますが、なぞらえる意味もわかるので努力あるのみなのか(笑)。ものの数時間で読める程惹きいれる展開の面白さ。良作です。2015/10/29
フキノトウ
33
暁さん、結局最後まで正体明かさずでしたね(^^; 明かしてから~のお話が読みたいな。読者にはもろバレなので、もどかしい!(笑)神話に絡めてくる箇所が多くて読みにくかった。次巻は、糖度UPに期待♪2014/09/10
はるき
20
著者読み。少し昔の作品なので今より粗削り。著者の歩みを振り返る意味で興味深かった。2020/07/06
サラ
18
『そして花嫁は恋を知る』に比べると主人公の性格が今風で、やりとりもコミカルになっていて読みやすかった。叔父様がかっこよすぎる。平安ものは西洋東洋に比べてなまじ知識があるぶん粗を見つけやすいので敬遠していたけど、情景描写が華やかで素敵だった。主人公が基本的に顔丸出しで男性と話しているけれど、田舎育ちで宮仕え中なのでさほど違和感はなかった。世代差を感じるジャパネスクよりも自分はこちらのほうが好み。しかし無理矢理捻じ込まれていた日本神話の比喩は分かりにくかった…。いきなりスサノオと犯人を結びつけても何の話かと。2015/07/15
coco夏ko10角
16
シリーズ第1弾。平安もの。強気で元気なヒロインいいわ、ヒーローかっこいいし、メイン二人に好感もてる。叔父様も素敵。お話は塔子があのことを知るときが楽しみ。凪かすみさんのイラスト華やかで可愛い。シリーズ積読済なのでのんびり読み進めていく。2018/05/02