河出文庫<br> 哲学史講義 II

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河出文庫
哲学史講義 II

  • ISBN:9784309466026

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内容説明

自然とはなにか、人間とはなにか、いかに生きるべきか――二千数百年におよぶ西洋哲学を一望する不朽の名著、名訳決定版第二巻。ソフィスト、ソクラテス、プラトン、アリストテレスらを収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

11
示せと言われたら全てのことにその理由も反対理由も見つけられるのが豊かな教養なので、善悪をこうした仕方で相対化したソフィストの悪者扱いは無理筋と指摘。ソクラテスを敵に回った民衆やソフィストより凄い人に仕立てたい解説者の道徳的偽善を批判しつつ、新しい原理をもたらしてしまったソクラテス個人が没落する一方でギリシャ国家の既成原理も解体する哲学史のうねりを独創的に解釈。衣服とかどうでもいいことに禁欲しても仕方なく欲望は放棄すべきでない、同一性の体系など哲学じゃないといった合間での議論は、巷のヘーゲル像とだいぶ違う。2017/08/25

amanon

7
哲学科の院修士で、自分は一体何を学んできたんだろう?ついそんな気にさせられた。一応ある程度馴染みのある内容、タームのはずなのに、読んでいても、字面を追うだけで、中身が殆ど頭に入ってこない…というのが正直なところ。それはともかくとして、注釈がないのがやはり気にかかる。ヘーゲルによる哲学史が時代の制約を受けている以上、おそらくその後の研究によって、修正されるべき箇所は少なからずあるはず。ただ、個人的にはとっつきにくいと思っていたアリストテレスが意外と興味深く読めたのが収穫だったか。『形而上学』読んでみるか。2020/05/12

Z

7
良書。この刊は、ソフィスト、ソクラテス、プラトン、アリストテレスを扱う。第一巻は、所謂ソクラテス以前の哲学者であり、自然哲学であったが、ソフィストから、抽象的に自然なり世界なり存在というのを問うのではなく、それを思索する人間の意識(ヘーゲルはそれを自己意識と読んでいる)が問題にされたとし、それを軸に歴史を辿っていく。すなわち「人間は万物の尺度」としたソフィストにはじまり、善という人間知性の目的を建てたソクラテス、そこからイデア論を発展させたプラトン、目的をもちつつそれをもとに対象を形成する活動を捉 2019/10/01

tieckP(ティークP)

5
2巻はソクラテスからアリストテレスという西洋哲学の核とも言える部分についての講義であって、1巻よりもエキサイティング。ヘーゲル自身が確固たる歴史哲学を持ち、話すこと全てにそれが及んでいるにも拘わらず、講義という形式は語られる対象を主役とし、実際、主要著作から丁寧に引用するため、この巨人同士の綱引きはそれぞれ一方を単に学ぶのとは違う、しかし両方に益するような読書感覚を与えてくれる。ヘーゲルがプラトンを語るところなどは、マルクス抜きでもああこれは弁証法で共産主義になるなあ、などと納得してしまった。2018/04/06

植岡藍

2
ヘーゲルやっぱりめちゃくちゃ頭がいいので、読むこと自体が快楽になる。思想史の本はいくつか読んできたつもりだけど、プラトンの功績をようやく正しく理解出来たように思った。ヘーゲルが書いているように誤った理解を説いている本の多いことか。そしてやっぱり私はアリストテレスが好きだ。2019/05/19

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