内容説明
最大の哲学者、ヘーゲルによる哲学史の決定的名著。大河のように律動、変遷する哲学のドラマ、全四巻改訳決定版。『I』では哲学史、東洋、古代ギリシアの哲学を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
44
序論の所々に顔をのぞかせるヘーゲルの志に感動しました。『しかし実際は、わたしたちの現在は同時に歴史的なものです。もっと正確にいえば、思考の歴史において過去がその一側面をなすのと同様、わたしたちの現在においても、一貫して変わることのないものがわたしたちの過去と切り離しがたくむすびついています。わたしたちが近代世界において獲得した自覚的な理性にしても、現在という土壌から直接に生じたものではなく、本質的に過去の遺産なのであり、くわしくいえば、過去の全人類の労働の結果です。』28 無人島に持って行きたい本です2023/02/20
またの名
15
歴史哲学講義なんかより断然ヤバい。いわゆる哲学史の教科書がつまらない諸説の羅列に終始するわけを指摘し、「自分たちは真理とかいう次元を超えてるので過去の思想など外的で死んだ空虚な歴史的資料」と考えて研究にあたり紋切型のお世辞を贈る輩をメッタ切り。孔子やキケロらの人生訓も大して哲学的に価値がないと言い放ち、ところどころでぶっ込まれる独自の論理は、抽象的な真理など真理ではない、具体的なものは後になって現れるので最初に来る抽象概念は最も貧しいといった人を驚かすような意外な論理。ヘラクレイトスからの影響を自ら強調。2017/08/11
amanon
8
本論に入るまでの概論が読みごたえがあり、圧巻だが、実際に哲学史の説明に入ると、いささか退屈というのが正直なところ。個人的にギリシャ哲学が苦手というのも影響していると思うが。一応哲学科院のマスターを修了しているが、タレスから始まる幾多のギリシャ系哲学者の名前と思想の結びつきの知識が未だにあやふや。また、時代的な制約のため、ヘーゲルの解説がどこまで正確か?という問題もあると思うのだけれど、その辺りについての解説や注釈が一切ないのは問題だと思う。ただ、ヘーゲル自身の歴史観や思想が伺える箇所があるのは興味深いが。2020/05/01
Z
6
名著。今まで読んだ本で最良の哲学ならびにヘーゲル哲学への入門。イオニア自然哲学において、万物の根元という単一かつ普遍的なものの探求が行われたが、感覚、自然的なものに制限されており(ex水、火etc)、より抽象、思弁的なものを原理にすえたピタゴラス学派(数)、さらに思弁的な存在そのものを追求したパルメニデス、ゼノンが現れと、チャート式に哲学史をスパスパ整理。並びにこれらの整理を通して、ヘーゲルが過去の伝統を背負いつつ自己の思想を形成したことが読みとれる。この刊では所謂ソクラテス以前の哲学までを扱うが、精神現2019/09/26
tieckP(ティークP)
5
とりあえず「歴史哲学講義」を名著と呼ぶひとに騙されて読んだ時のような肩すかし感はなくて、こちらはヘーゲルの頭脳を存分に堪能はできる。冒頭のメタ哲学史の部分は独立して読む価値があると思う(けど言わんとすることが伝わったあとで延々と続く冗長さは玉に瑕)。本巻は基本的にアリストテレスが「形而上学」で述べた哲学史についてヘーゲル的弁証法における知性の発展という観点から整理していくものだが、歴史自体を詳しく知りたければ専門書などもあるのであくまでヘーゲルの味付けを楽しむもの。跳ばして2巻からでも良いかもしれない。2018/03/28
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