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内容説明
第17回手塚治虫文化賞 短編賞に続き、
第19回文化庁メディア芸術祭にて優秀賞を受賞!
幸せあふれる結婚披露宴。花嫁の父親は、ロボットだった。
「この日を妻にも見せたかった」……彼の記憶にある妻の姿は?
フワフワの着ぐるみ、クラスの転校生、未来を予言する者、
そして誰もが待ち望んだ、聡明で清廉で公正な大統領。
ロボットの彼らが、ヒトの世界を変えていく。
だが、技術が進歩しても、キカイを操っても、ヒトを殺すのはヒトである。
現代社会が注目する「人間とAI」にまつわる物語を、
丹念に貪欲に描いていく寓話的オムニバス、8編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
37
各短編、必ずしもアイデアのオリジナリティーが強いとはいえない。が、作品から伝えようとする問い掛けや問題意識の強さに圧倒される。社会的な悪に立ち向かおうという姿勢には凛々しさをも感じた。作品がフィクションの枠を超えて、現実を撃ち抜いてくる感じ。2018/03/22
ぐうぐう
23
ロボットは、その昔から、被差別者のメタファーとして描かれてきた。作家は奴隷解放であったり、公民権運動であったりを、ロボットを通して描いたのだ。業田良家の『機械仕掛けの愛』も、そのセオリーを忠実に継承している。そういう意味では、とても古風なスタイルと言える。けれど、この短編がどれも胸打つのは、現代社会がまだ多くの差別や偏見に満ちていることを明かしている。2018/03/19
ジロリン
15
このシリーズは、毒気の強いエピソードが多いのだが(核ミサイルの発射ボタンを押させるためにロボットを大統領にしたり、給料が貰えるようになったロボット工員が人身売買の人間を買ったり)、冒頭の「花嫁の父」みたいな、ホンワカした話の方が好きだな。最後にオチの"ロボットの記憶"が事実なのかどうか、分からなくなってくるような終わり方…とても良かった。2016/07/31
fumikaze
9
差別や争いも、ロボットで表現されると人間同士の物語で描かれるよりもすんなり心に入ってくる。(最近手塚治虫の漫画を続けて読んでいるせいか、いつもより軽く感じられてしまった)2020/01/04
烏鳥鷏
6
一つ目の話が大変イイハナシ。事故で妻が死に自身は半身不随に、娘を養うためにロボ化するお父さんの話。オチもいい。この話がどっかで無料公開されてたのが作品を知るきっかけだった。 消費を促すために労働ロボットに金を使わせる話と大統領ロボットの話も好き。2018/04/08