内容説明
円熟の江戸活劇、いよいよクライマックスのシリーズ第5弾!
文化人を弾圧し悪名高い「天保の改革」。瓢六は弥左衛門やお奈緒らと陰に陽に立ち向かうが、やがて圧政者たちも決して一枚岩ではないことに気付く。
「妖怪」こと鳥居耀蔵の裏切り、それによる水野越前守の失脚と復活。一方瓢六は勝家の若き当主・麟太郎と親交を深める。
時代はうねり、活劇シリーズいよいよ佳境へ。
解説・大矢博子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
57
点訳一校正終了。時代劇を見たり落語を聞くのは好きだけれどなかなか時代小説を読むことがなかったので今回はとても参考になった。そして、時代小説の面白さに気付いてしまった。これもシリーズものだということで前の諸々の出来事が時折出てくるが、これだけ読んでも面白いから最初から読んだらもっと楽しめるだろう。飄落と奈緒のロマンス、また、大家の奥方の無理難題。ドラマ化されたらまた一段と面白そう。時代小説は、他にもたくさん女性作家さんが書いているので、これを機会に手を伸ばしてみようと思う。2017/01/30
はにこ
27
あぁ、「妖怪」が憎い。瓢六やお奈緒の身の廻りの人々が居なくなっていく。。傷ついていく。。皆で協力して読売を出していた頃が懐かしい。鳥居と水野との戦いの仲で心の交流を深めてきた瓢六とお奈緒の思いが通じあっているのが慰めになった。戦いが終わり、最終巻はどうなるのだろうか。2021/06/07
klu
11
気持ちのいい終わり方でよかった・・・2018/07/05
marsa
9
お袖を大火で亡くし意気消沈の体だった飄六も前作で巡り合った奈緒と身分違いながら相思相愛の仲になり、水野や鳥居の悪だくみから罪のない人々を救おうと頑張っている。登場してきた青山組という若者たちはまるでヒトラーユーゲントのようでゾッとした。それにしても飄六はお袖といい、奈緒といい、自分をしっかり持った強いオンナが好みなんだね。これからも楽しみ。2016/08/23
トラジ
4
心地よい文章。感性の合う感情描写。作品世界を十分堪能した。不細工で可愛げがなく我儘な家主の娘がグッドジョブ!まだ続きそうで楽しみ。2016/09/02