内容説明
19世紀の倫敦(ロンドン)では、怪物(スナーク)たちが起こす奇妙な事件が巷を賑わせていた。スナーク――それは犯罪者の臓器を移植され、身体能力が拡張し、異能を手にしてしまった人間のことだ。熱血だけが取り柄の新人刑事アッシュは、配属初日、あるスナークとコンビを組むよう命令される。「怪物と組むなんて」反発するアッシュの前に現れたのは、冷めた性格の根無し草な男ジジ。彼は自らの異能を明かそうとせず、捜査にも非協力的だった。「不真面目な怪物」「甘いお坊ちゃん」互いが気に食わない二人は、衝突を繰り返すことに。凸凹コンビが霧の街を駆ける、倫敦異能奇譚開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
53
19世紀ロンドン。犯罪者の臓器を移植され、異能を持つことになったスナーク(怪物)たちが事件を起こしていた。 スコットランドヤードの中のスナーク担当班に不本意ながら配属された新人刑事・アッシュとしぶしぶパートナーとなったスナークのジジ。この二人の噛み合っていないながら何とか事件を解決していく様子が面白い。特に真っすぐで空回り気味なアッシュが飄々としているジジにかわされる会話が可笑しかった。真っすぐでちょっとひねくれた優しいアッシュの正直さ嫌いじゃないです。アッシュの父はダメだなぁ、それじゃ伝わらないよ。2017/10/28
はつばあば
49
狂気の外科医が集めた犯罪者の臓器を受け継いだ異能者スネーク。そのスネーク・ジジと相棒を組まされた新人刑事アッシュ。上流階級なのだがどうやら親に疎まれていると可哀想なほど哀しい想いをしている。こういう心理描写とか哲学的?なジジにずっと漫画三昧だったのでので、相当頭と心を使いました(^^;。そうですねとっても味のある本だと思います。続きもあります。その続きも私の感性に訴えるものがあれば2巻共購入したいと思います2020/04/13
カナン
37
着眼点とキャラの関係性はこの時代の倫敦の倦んだような気怠さと派手さに合っているのだけど、主人公アッシュのヤードとは思えないティーン思考に少々辟易。互いの存在を好まず、反発しながら相棒になっていくバディ物は大好きなのに、楽しめないのは文体が軽すぎて設定の深刻さが感じられないせいでしょうか。きっちりと世界観を固めて掘り下げれば人権問題にもアプローチできる素材なのに、何だか頭の弱いぼんぼんアッシュと凄惨な過去を抱えながらもイマイチそれを活かし切れてないジジの掛け合い。結局どういう話が描きたいのかわからず、退屈。2018/11/23
つたもみじ
33
19世紀の倫敦。犯罪者の臓器を移植され、異能を手にしてしまった怪物”スナーク”と呼ばれる人々の存在する世界。そんな倫敦で、新米刑事アッシュは、スナークとコンビを組む事に。最初は「怪物となんて…」と思っていたアッシュだったけれど、同じく最初は非協力的だったスナーク・ジジと行動を共にするうちに、次第に考えを改めていく。擦れた大人なジジに揶揄われながらもアッシュが清廉潔白、真っ直ぐすぎて…逆にアホの子か!っていう。表紙から陰惨な雰囲気を想像していたのに良い意味で裏切られました。声を出して笑ってしまった。>続2016/08/03
よっしー
20
前々から気になっていた物語。やっと読めました!! 真面目で一直線なアッシュと、かなりひねくれている不思議な力をもったジジ。仲が良いのか悪いのか…二人の息の合ったやり取りが面白くて良いですね!! にしても、犯罪者の臓器を移植すると不思議な力を持つ。面白い設定ですね!!それを良いものとするか、不要なものとして感じるかも個人差があって面白かったです。そして、アッシュと父親、お互いにすれ違ってるこの思いは解決するのでしょうか?次巻が楽しみです!!2021/08/18