内容説明
堅物で熱血漢な新人刑事アッシュと、他人の心の音を聞く力を持ったはぐれ者のジジ。正反対ながらも二人は、良き相棒として街で起こる奇妙な事件を解決している。ある日、詐欺師に騙されたアッシュが失職の危機に陥ってしまう。汚名返上のため二人は、不思議な歌声を使い悪事を働くと噂の、歌姫メアリーを探ることにするが――。今宵の謎は、一瞬で大人になる少女、生き返る死体に感謝される殺人者――。19世紀ロンドンを舞台にした、凸凹コンビの事件簿、開演。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
62
アッシュとジジがパートナーを組んで少しだけ距離が縮まった感じ。本当に少しだけど、嫌々ながらもアッシュの捜査に同行してくれるし、多少彼の存在を認めてる様な・・・。 どこまでも真っすぐで正直で鬱陶しいくらいな正義感をもつアッシュだけど、その真っすぐさとそれゆえの甘さは憎めません。何故か惹かれます。お坊ちゃんなのに、実は可哀想なくらい孤独感を感じている姿は痛々しい。アッシュの父の息子に対する愛情の不器用さ。もう不器用と言えるような問題じゃない。愚かな人だとしか思えないのが残念。2017/10/30
はつばあば
51
う~ん、人生と言うは生命が詰まっている。クロノスの子宮を初めとしアッシュの父親といいどうしてこんな・・と。命授かりし赤ん坊の未来は親の生活力にかかっているのは最古の時代から変わらぬものか。アッシュの青い瞳はぬくもりと夢を見せてくれ、ジジを暖かく包む。ほんとクセのある本だと思います。ハマればもっと読みたいしハマらなければなんやこんなん・・と二つに別れる感想が。ホークがアッシュに三行半を突き付けられるのも直ぐかと。ジジがしっかりアッシュを包んでくれますからご心配なくと啖呵を切ってみたい2020/04/14
よっしー
19
相変わらず真っ直ぐで純情なアッシュ。父親の洗脳が色んな所に垣間見えて、かなり歪んでるなと再認識。前作では単に不器用なのか?と思ったけれど、どうもそんな簡単な問題ではなさそうです。でも、アッシュが父親離れの第一歩を踏み出してるので…今後に期待かな。ジジも何だかんだと文句を言いながらもアッシュの面倒を見ていますし、良い関係になってきてます。素直ではないですが(笑2021/08/18
azu
9
産業革命時の英国の光と影の描写は、刹那いものがあった。スナークの設定がまだイマイチつかめていないけど、臓器移植ってどのくらいの歴史的があるんでしょうかね?難しいことは置いておく感じなのかな。ジジの過去がちょろっと出てきたけど、中々の不遇ぶりですね。質量は違えどもアッシュの少年期も闇が深そう…。パパぁ…………(^_^;)2018/02/28
HANA
6
いつもの凸凹コンビ。今回はアッシュが美人局に騙されるところから始まり、それぞれの事件の話。言い回しがなかなか面白く。なんだかんだいいコンビになってきたような感じ。アッシュがなんか可哀想に思えても来たけれど。次も楽しみ。2017/09/13