内容説明
藤原家の六男坊と天才陰陽師が紡ぐ平安物語。
時は平安、太政大臣の六男坊・藤原有視は、夜道で陰陽寮の学生・安倍春秋とぶつかり、春秋は追っていた男を逃がしてしまう。
口論になった二人だが、そのために「密かの賊」と呼ばれる盗賊団の盗みの現場を目撃することとなり、行きがかり上、事件に関わる羽目になってしまった。
だが、手がかりは殺された屋敷の主が言い残した「かね」という言葉だけ。
盗賊団の行方はなかなかつかめないまま日々が過ぎていった。
そんな時、有視は幼なじみの小色と再会する。小色のことを気にかける有視だったが、彼女は、なぜか有視を避け続ける。
一方、有視の身に迫る危機を感じ取った春秋は、自分の式神を有視に分け与えようとするが…!?
初めて目にする式神の存在、初恋の少女との再会、そして事件の真相――。
のんびり六男坊と天才陰陽生が紡ぐ、平安陰陽師物語!
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
21
サクサク読みました。六男坊と陰陽生、2人とも素直でちょっと大人しい、良いコンビだ。少年ぽさがたまりませんな(^^♪。いつも傍にいて守ってくれる飛天(式神)の存在といい、羨ましい。。2017/01/10
ダージリン
21
ルルル文庫で男性のコンビものは珍しいけど、私は好きです(笑)。藤原有視も安倍春秋も家庭面では幸うすい人ではありますが、まわりには面白い人達がいます。ぎこちない友情がとても良いので、ぜひ続きが読みたいです~♪2016/06/17
粋
8
珍しく恋愛要素ほぼなしですが、深山くのえ先生の平安ものということで読んでみました。展開は早々に読めちゃいますが、楽しく読了。有視には残念な展開だけど春秋との友人ものもいいですな。次もあるみたいなので、今度は有視と春秋の特殊な能力を堪能したいな。2024/12/09
katerinarosa
7
深谷くのえさんはルルル文庫創設時に読んでから、新刊が出ると必ず買っている作家さんです。とはいえ、このシリーズに限っては、面白いのかな?と思いつつ、2巻目が出るまで放置していました。「安心してください。ちゃんと楽しめる深山さんの作品でした」というのが読了後の感想。きちんとしたクオリティの作品を継続して出せるのは素晴らしいと思う。2017/01/22
まぁ
7
深山さんの話だけどすごく恋愛要素は薄かった、良い友情の始まりといった感じでした。小鬼や式神がいい味を出しているとととに、器用貧乏なお人好し有見さんとツンデレに見せかけてただの不器用さんだった春秋さんのやりとりがほほえましかったです。2016/06/29