内容説明
ナノテク革命と低炭素経済がもたらす活況に沸く巨大都市。突如起こった、犠牲者ゼロの奇妙な自爆テロの真相とは? ボットを操り、テロ現場にいた謎のドローンを追う探偵志望の少年、AIが飛び交う国際金融市場に一大詐欺をしかけるトレーダー、革命的ナノテク技術の研究者と出会った新米マーケッター、伝説の「蜜人」を探す美術商……東洋と西洋、過去と未来、科学と神秘が混じりあう千年都市を舞台に描かれる、緻密にして壮大な未来世界のリアルなヴィジョン。キャンベル記念賞と英国SF協会賞をダブル受賞した、至近未来SFの傑作登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
18
何というか、混沌、雑然としているが、独特の魅力が漲る。東西が出会うイスタンブールは不思議な街だ。ただ、ストーリー展開はやや遅いので、ややまどろこしい感じも。「下巻」でどう展開するのか、楽しみ。2016/06/16
スプリント
8
じっくり読みたいSFです。 というよりゆっくり読まないと登場人物は多いし、場面展開は頻繁だし、イスラムをはじめ宗教用語も多くてストーリーについていけません。でも根気よく読み進めていく作品もたまにはいいものです。2016/08/13
fukumasagami
7
「あの女だ」 「エレーリの預言者さ。おれは、ちょっと話をふくらましすぎじゃないかと思うけどな」 「違う違う、そうじゃない。この女なんだ。おれはそこに行かなきゃ。この人と話さなきゃ。知ってるんだよ。前に見たことがあるんだ。爆弾が炸裂したときに、この女はおれのすぐ横に立っていたんだ」2017/10/16
Yoshiyuki Kobuna
3
ハヤカワのベストSF2014海外篇第5位。どっしりと濃密な都市描写と、めまぐるしく変わる視点と状況に翻弄されっぱなしの圧倒されっぱなし。上巻を読んでも、物語はどこに落着するのかどう収束するのか見当もつかず。見当もつかずっていうのは、実はすごく嬉しい。2016/07/08
K.S.
1
久しぶりのイアン・マクドナルド。数年前に旅行したイスタンブールを思い出しながら読んでる。感想は下巻読んだ後で。2018/11/12