内容説明
コロニー防衛軍のなかでも勇猛果敢で知られるゴースト部隊の隊員は、防衛軍に志願したものの、軍務につくまえに死んだ地球人のクローンで構成されている。だが、新たに部隊員となったジェレド・ディラックは、天才科学者ブーティンの遺伝子から作られたクローンだった。恐るべきエイリアン種族と手をくんだ裏切り者ブーティンの情報を得るべく誕生させられたディラックの熾烈な戦いと数奇な運命を迫真の筆致で描くシリーズ第2作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
69
第一作は、エイリアンとの歩兵戦とそこから生まれる英雄譚でした。今作は、戦闘アクションもところどころに散りばめられてはいますが、クローン兵士の選択の自由と責任がメインのテーマです。生きる目的は自分で見つけていくというのが人間では当たり前のことです。しかし、ゴースト部隊のクローンは生まれたときから兵士です。それをただ受け入れるだけ。人生の目的を選択できないのです。そんなゴースト部隊のある兵士が、愛する人との死別を経て、親としての愛、仲間への愛を獲得し、クローンのオリジナルとは異なる選択をする物語です。2018/12/04
sin
67
ミリタリーSFと云うと艦隊での戦闘が思い浮かぶが、戦術やらのアレコレに紛れて船の破壊による大量の犠牲者は見過ごされがちだ。それに比べて地上での戦闘は倒れていく戦士たちの各々の個性が描写されるせいかリアリティーを感じてしまう。ここに描かれた戦争に正義はない!ある理由で同じ人物が敵味方に別れて自身の理念のもとに、そして使命感に駆られて行動していく様に、そのことは明白だ。その過程で物語は意識とは、アイデンティティーとは何かと問いかけてくる。2021/06/02
猿吉君
52
老人と宇宙2作目、空気で暮らす異星人沢山、どことも戦争状態、頭の中に別の人、盛り沢山なスペースオペラを堪能。①個人的にカイネンが一番キャラ立ってました、最後の選択に涙②ジェレドは最初から結末が見えたかな。③常時辛い状態なんだけど雰囲気にユーモアがあるところがスコルジー。④悪役はかなりサイコで良し良し。⑤意識はコピーは出来なくて転送だけ?コピー出来たら諸々解決しそうな。⑥まだまだ続くみたいなのでいつかひょっこりこの主人公また出てこないかな。点数80/100→読み易い文章でとにかく面白い、全部読みます!2020/09/15
かわうそ
27
クローンのアイデンティティというテーマに、個人的なできごとがいつしか世界を巡る争いにつながっていく由緒正しい展開、ほどよくちりばめられた映像映えしそうなアクションシーンと、エンタテイメントのお手本のようなSF。続きも楽しみ。2018/09/19
Panzer Leader
25
前作の設定を引継ぐも別の主人公を登場させて、この作品が持つスケール観を押し広げることに成功している。ジェレドの苦悩を描きつつも、興味深いガジェット・ユーモア溢れる会話などがちりばめられていて、ラストまで一気読み。ブレインパル欲しいなあ。 2015/04/26