内容説明
構想20年、渾身の伝奇時代小説遂に完結!
ニルヤカナヤから「ゑれき丸」で龍を連れ帰った、平賀源内。両国での龍の見世物は大成功を収め、将軍徳川家治も龍を見に来ることになったのだが・・・。
家治が龍見物にやってきたその日、龍囲いで大火事が発生し、龍が江戸の町に放たれてしまう。龍使いのハンが江戸を離れている今、龍をとらえる術はあるのか?
ハンと、源内の恋人・御銀はなぜうり二つなのか? 火鼠は何を企んで暗躍しているのか? その頭領の正体とは?
すべての糸がつながると、そこには思いもかけない悲劇の真相が隠されていた---。
龍は? 江戸は? そして、源内の運命は?
最後は人を殺して牢死したともいわれる平賀源内。物語は誰も予期せぬ結末へ向かう。
構想から20年、者渾身の冒険小説にして、伝奇時代小説。ここに完結!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
102
最終巻。日本に帰ってからは文章が時代小説らしさを増すし、盗賊の暗躍あって、恐龍が逃げ出し江戸の町で大暴れ。まるで鬼平犯科帳を観ていたらジュラシック・パークの恐竜が出てきたようなセンス・オブ・ワンダー。この展開に持っていくために早いうちから伏線を張ってたことに感心する。そして最後に大団円に持っていく力技。こんなロマン溢れるエンディングがくるとは思わず。見事に風呂敷が畳まれた。全六巻堪能です。しかも10年以上を掛けて書いた作品が、こうも一気に読めちゃうってのも凄い。著者同様に映画化、希望。2019/03/11
サケ太
21
たまらない。なんてたまらない男なんだ。平賀源内。彼の探求と冒険の日々が美事に完結する。今までの伏線の数々が鮮やかに回収され、終わりへと向かう。素晴らしい大団円。あらゆる事に手を出して、万事が半端になってしまう。大望があり、それを果たすために奔走する。人間的な弱さと美しさ、行動力と知識の怪物ぶりが共存された男。たまらない。たまらなく好きだ。2019/07/01
keisuke
9
本当に面白かった!久々に大ヒット。時代小説としても冒険小説としてもミステリーとしても一級品で、全てが合わさって尚面白い。結びの章で頭に源内の死について書いといて、ああして終わらせるってのも最高に良い。面白かった。2016/02/02
火烏
9
懐かしいなあ、天下御免、ってのが、感想を覆ってしまった。後半、山口崇が脳内で読書の邪魔をしまくって、気球に乗ってしまった。春信はずるいよね。ともあれお疲れさまでした。2016/01/19
9分9厘
8
全6巻完読。最終巻はいままでのワクワクが一気に悲しみへ。お吟が饕餮に語りかける場面は嗚咽です。最後の最後の一文字まで楽しめました。最後など舞台のカーテンコールを見ている高揚感で胸がいっぱいです。獏さんがあとがきで書いてあるよう、「失われた世界」や「地底旅行」の隣に本書が並べられるよう、いつかこちらも読んでみよう。有野作之進、千夜練三郎のなぞもいずれ解けるかな。わたしも、映画化希望!2019/06/18