内容説明
氷の墓から甦った黒いドラゴン。ビングタウンから飛来した青いドラゴン。二頭は蒼白の女に操られた石のドラゴンとの死闘に勝ち、勝利の飛翔をする。圧倒的なドラゴンの威力の前にフィッツらはなす術もない。すべてが終わったあとに残ったのは、破壊された蒼白の女の宮殿だった。道化の予見した未来は成就された。だが道化は蒼白の女にとらえられたまま。フィッツは道化をさがし、氷の下にある女の宮殿に踏みこむ。そこで彼が見たのは愛する友の無残な姿だった。悲嘆に暮れるフィッツは……。桁外れのスケールでおくる異世界ファンタジー遂に大団円。/解説=乾石智子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜の女王
12
☆☆☆☆ 秘密を抱え苦難を抱え寡黙で少々陰気な男だと思っていたフィッツだが、そうなっただけの理由があったとは!その伏線に舌を巻く。人生の記憶と喜怒哀楽を返してもらって、人間としての幸せを手に入れての大団円!華々しい(フィッツが王族として復帰するとか)ラストでないところはホブらしい。このほどほど感がフィッツにはふさわしいのだろう。が、道化の蘇生シーンは感動的ではあるものの、少々突っ込みたい気も・・・腐敗しかけた体を活性化して魂を呼び戻す?ファンタジーとはいえ、すごすぎない?2015/12/25
かりあ
11
最高だった……………。読んでる間の素晴らしい時間をありがとう…ファーシーアシリーズ…。とうとうこれで邦訳全ては終わり。あとがきは乾石智子さんだったしこの上ない幸せだった。しかし原作はまだまだ続くらしく、誰かお願いだから訳してくださいという感じ…。贅沢を言えば鍛治靖子さんにシリーズの続きを今後もお願いしたい気持ちである。とにかくフィッツが幸せになれて本当に良かったし、道化との今後の再会を予感させるラストが気になりつつもちょっと嬉しかった。2017/05/17
kkef
10
長い長いフィッツとファーシーア王家の物語がひとまず幸福な結末を迎えてほっとするやら寂しいやら。 フィッツとナイトアイズ以外の登場人物の中で一番心に残ったのはペイシェンスかな。奇矯な言動が目立つように描かれてるけど、愛情深い器の大きな女性ですよね。 ところで読んだ本に登録するとファーシーア三部作が上にずらっと表示されたけど、巻数が進むほど順調に登録数が減っていて、やはり長いシリーズ物は読者が脱落していくんだなあ…。訳者あとがきで続編の翻訳予定がないと書かれていたのが残念だけど、これを見るとうーん、って。2015/11/14
火烏
9
前巻、後半の怒涛の勢いで読んでしまった。よかったね、ご苦労さん、フィッツ。でも続編が読めないのが悲しい。なんかすごくあおってませんか、鍛冶さん2015/10/27
しのぶ
6
ついに終わってしまいました。ハーブ園の場面では、涙がこみ上げてきましたよ。通勤電車の中なのに! だがしかし、この時点で望みうるベストな結末なんだろうなとは思いつつ、なんだかちょっと、モヤモヤ感もなきにしもあらず。結局のところ、フィッツ誕生秘話は明かされないままだったし。気持ちはわからないんでもないんだけど、モリーもネトルももう少し優しくてもよいのではないかと。やはりこの先の物語もあるそうなのに、日本語で読むことはできませんという残念なお知らせを覆すことは不可能なのでしょうか。最後の最後まで見届けたいー。2015/12/11