内容説明
今、徳川と戦になれば勝ち目はない――。太閤の奇矯な振舞いと、石田三成の暴走を案じる秀吉麾下の忍び曾呂利新左衛門が助力を請うたのは、古河公方氏姫(こがくぼううじひめ)と静かに暮らす風魔(ふうま)一党の首領・小太郎だった。一方、虎視眈々と機を窺う家康の影には、先代服部半蔵を凌ぐ頭脳を持つ剣士が。家康の世子秀忠に迫る、独り忍び唐沢玄蕃の兇手……。乱世再来を望む忍びたちが歴史を動かそうとしていた! 渾身の時代ロマン巨編、第2巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
277
時代は大きく動いており、有名な将軍も多く登場するので、読みごたえは多いにアリ。なかなかに複雑に入り乱れ始めた各々の思惑からも目が離せない。しかしそうなってくると、気は優しくて力持ちな小太郎君の介入する余地はほとんどなく、史実をからめようと画策するほど、出番を削らざるを得なかったのか、序盤の存在感がどんどん薄れ、上と下の板挟みになってストレス抱える中間管理職みたいに見えてしまうこともちらほら。この著者の描きたい主人公像は毎回、歴史に沿わせる中で、妙に優柔不断になってしまうのが残念。敵キャラもインフレ気味。2021/01/08
ポチ
48
誰が主人公なのか分からなくなる中巻。小太郎がオマケみたいにしか登場しなくて残念。下巻は大丈夫かな?2020/04/21
タツ フカガワ
42
秀吉の老いとともに豊臣政権が揺らいでいく。同時に石田三成と徳川家康の対立が際立っていき、両者の思惑が暗殺、寝返り、謀略など権謀術数渦巻く展開となっていくこの中巻は、上巻よりテンポよく読了。なかで飄々とした策士、曽呂利新左衛門、怜悧冷酷な柳生又右衛門宗矩がいい味出してます。が、なんといっても小太郎の超人ハルクのような活劇が痛快(が、その小太郎の登場場面が少ないのが残念)。次々と敵対者を倒してきた小太郎、次は柳生か、と想像しながら(再読ですが忘れました)下巻へ。2023/11/11
Dai(ダイ)
16
中巻は、関ヶ原の戦いを中心にその後の仕置きが語られていく。が、天下分け目の合戦もあっさりと語り終え、その後始末と、いかに豊臣を根絶やしにするかの謀略に重きを置いている。肝心の小太郎の活躍といえばいたって少なく、中だるみ感満載である。それにしても賊に襲われる美女たちが助っ人もろとも無惨に殺される展開はストレス溜まりまくる。最終巻の小太郎の胸のすく活躍を期待したい。2014/09/16
ドナルド@灯れ松明の火
14
大きな戦は簡略で、専ら裏の忍びの争いが描かれる。陰謀策略が渦巻きもはや何が何だかという感じになる。上巻でも書いたがやっぱり説明過多のまま。文庫化に当たり十分に推敲すべきだったと思う。読み続けるのがかったるい。2018/04/03