内容説明
麻耶藩国家老の娘・お婉は、相手を眠らせる術を使う忍者3兄弟と共に、父の敵討ちに向う。対するは江戸家老が傭う剣客3人。眠りの術に、眠りつつ勝つ剣法を編みだされたが……。“極意”とは何かを見せる「忍法甲州路」他、表題作の「忍法関ヶ原」および「忍法天草灘」「忍法小塚ッ原」「忍法聖千姫」「忍法ガラシヤの棺」「忍法幻羅吊り」「忍法瞳録」「忍法死のうは一定」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山下哲実
13
凄まじいな!2015/05/20
ヨーイチ
9
本呟きでも書いたが、小生としては「忍法聖千姫」がいい!最近忍法帖中短篇集を続けて楽しんでいるが、底に流れる山田風太郎のスラップスティックが面白い。この人の笑いは風刺でも冷笑でもブラックでも無く、ドタバタが一番多いのでは。エロとグロが題材でも、結構明るいのは、そのため?劇画との相性の良さにも通じるきがする。2013/12/30
うさみP
8
長かった講談社文庫忍法帖シリーズの一応の最後。なかなかバラエティーに富んでいて、首と胴体のどちらに身体の主導権があるのか首実験を通して魂の所在と行く末『小塚ッ原』、信心深い信徒と堕落を誘う忍者の邂逅『天草灘』『ガラシヤの棺』、己の魔羅に釣られて破滅する『幻羅釣り』、永遠のヒーロー像・織田信長をここまで悲劇的な最後に書いた信長転生モノの原点『死のうは一定』。忍法を駆動力にして、時代小説としての忍者からSF・ホラー・犯罪など、一つ上の次元へ昇華させたが作品も多かった。長編モノより短編の方が好きな人が多そう。2023/05/09
Katsuto Yoshinaga
6
講談社文庫の山田風太郎忍法帖の14巻目。12巻と13巻も短編集だが、掉尾を飾る短編集は山風先生らしい(?)エログロナンセンスの奇想に溢れた作品集。本書にある「忍法小塚ッ原」は屍体を接ぐという奇想が描かれている。私はアンディ・ウォーホールが監修したエログロ怪奇映画「悪魔のはらわた」を思い出した。本作は69年発表、映画は74年製作である。先見性なんて言い方は適切ではないが、こういうところが山風先生の凄さである。未読の忍法帖はまだまだある。実に楽しみだ。2016/02/12
浅木原
4
エログロナンセンスの奇想忍法短編9編。これぞ山風、これぞ忍法帖って感じだけど、さすがにそれで550ページもあるとちょっと疲れた。ベストは「忍法小塚ッ原」かな。これは……××××のデビュー作の元ネタ!?(たぶん違う) オチまで含めなんともはや。「忍法甲州路」や「忍法聖千姫」もそうなんだけど、皮肉なオチが無情というよりむしろ脱力を誘う感じが、エログロ(スカトロ含む)と相まって長編とはまた違う独特の読み心地に至る。「忍法ガラシャの棺」の〝鴫留胚堂〟には苦笑するし、忍法帖の本質はナンセンスギャグだなあと思う一冊。2016/03/16
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