内容説明
1966年。街にビートルズが流れるその年の夏、ぼくは1台のおんぼろ外車を手に入れた。シムカ1000――。風変わりな色に塗られたその車に魅せられたぼくは、女ともだちの意外な成功と突然の転落のドラマを乾いた心で見つめていた。ぼくの愛した9台の車と、9人の女たち。ぼくの青春はなにを失くし、なにを得たのだろうか? 恋と車の奇妙な遍歴の季節を描く、青春恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
60
私が生まれた年から五木さんの車生活は始まったのかぁ~と変に親近感をもっちながら自分には記憶のない時代の社会を物語の中に垣間見ていく。車が変わるごとに恋もスマートになっていく。こういっちゃあなんだけど・・・出世魚ならぬ出世車???なんて世の中には無い言葉を当てはめてしまった。オートマなんて玩具みたいな車じゃなく、なかない言うことをきいてくれないじゃじゃ馬を乗りこなす。馬には乗ってみよ・・・人には添ってみよ。の車版みたいな物語なんて言ったら失礼かなぁ~。人生楽しもうってメッセージはビンビン響いてくる。2013/01/03
kuma
12
車好きでなくても、楽しめました。女性を愛する以上に⁉車を愛する。2018/07/28
runner M
3
世代や時代ごとにある青春読み物。 私も、かつて文庫の新刊がでるたびに、とにかく読みまくった作家がいます。かなり強く影響を受けています。 ひとつ上の世代では、五木寛之さんが代表格だったようです。 25年前に恩師にその話を聞いて、買ってサラッと読んだのがこの作品でした。今回再読。 クルマを題材にした、確かに青春読み物です。 作者の五木さんは、近年は「親鸞」「他力」「大河の一滴」など、全く異なる分野の作品が多く、少し前の「四季・奈津子」などとも異なり、新鮮な印象を受けました。 2016/04/18
MAXKAO
2
正月に車にお飾りをつけながら、頑固につけることにしたきっかけになった小説を思い出して再読。何篇かは覚えてました。2018/01/21
greenish 🌿
2
「車は雨の日にこそみがくんだわ」‐最後に女友だちが残した言葉が忘れられない。1966年の夏、僕の恋と車の奇妙な遍歴の季節がはじまる。9台の車と9人の女たちの物語 ---きっと五木さん自身の、車と恋と仕事の遍歴をベースに物語を綴ったのだろうなぁ。癖があって言うことをきかない旧車、個性的なフォルムの名車。男性が心酔する気持ち、分からなくもないな。夢を持って、ちょっと背伸びしたりして、別れも出逢いも愉しんで生きていきたくなりました。
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