内容説明
家同士の軋轢の中、詞子を守るため雅遠は!
左大臣家の源雅遠と右大臣派藤原家の詞子姫は、家同士の軋轢の中、密かに想い合う仲に。ある日、二人の関係が雅遠の乳兄弟に見つかる。鬼の呪い持ちの姫など許せないというが。雅遠は詞子を守るためある決心を…!?
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
36
再読二冊目。雅遠様お金の大切さを知る。自らの境遇は誰かから与えられたもので、自分から勝ち取ったものではない。だからただ一つかけがえのない存在。誰かを守るためには自分も勝ち取らなくちゃいけないことに気づいたのは尊い。そして責任感が強い。もののふだったらどんどん出世しそうなのになー貴族だからなー。生まれた時代がちょっと早かったか。まあこの後をしているから安心して読めますが。彼の美点を掬い取ってくれる人と出会えたのはよかったですね。まだ生意気盛りの弟妹がこれからどんどん可愛くなるので、それも楽しみにしています。2017/11/23
ひめありす@灯れ松明の火
33
詞子が雅遠様に笛を教える所で無意識にきらきらしてしまう所がとても可愛くてきゅんとしてしまいました。どんどん好きになっていってるんだなあ。そういう自分を肯定してくれる言葉に沢山救われている雅遠様。あまり今まで肯定の言葉を貰ってこなかったのだろうな。そういう意味では似た者同士ではあるけれど、やっぱり詞子のほうが呪いは深いな。はやく自分自身の幸せを大切に思って欲しい。見ず知らずの子どもにさえ、自分を襲った人にさえ、施しを与えられる彼女ですので。2010/04/05
ひめありす@灯れ松明の火
33
葛葉と大膳式の安倍保名さんという事は原典は「芦屋道満~」ですな!2010/03/31
ダージリン
18
主人公カップルが、お互い前向きに1歩踏みだす話でした。心がさわやかになります。2009/11/22
楓
13
最後、琴を返してもらうのがよかったなぁ。恋で前向きになっていく様を見るのは清々しい。今の少女小説はヒロインの個性に固執しているものが多いから、詞子がすごく爽やかに思える。今回もおもしろかった。2011/01/31