内容説明
甘い愛がいっぱい平安恋絵巻！
予言がびたりと当たるという美僧が現れ、都中の女房が彼の虜に。そんな中、今度は母から雅遠に結婚話が持ち上がった。詞子に内緒のまま破談に持ち込もうとするのだが…。一方、艶子が詞子に真実を教えろと迫り…！？
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす＠灯れ松明の火
42
嘘はついていない。全部を話していないだけ。嘘をつくよりはずっといい。悲しい顔をして、泣かせてしまうよりはずっといい。新しい呪いを生んでしまうよりはずっと。でもそれは彼女にとっては幸いでもなんでもなくて。珍しく積極的に雅遠に寄り添う詞子の姿がいじらしい。拗ねてふくれっ面もなかなかにして可愛かったですけれど。物語の中心は白河から次第に宮中へ。雅遠は上は帝から下は小舎人まで沢山の仲間を手に入れられましたね。利害の一致だけでなく繋がり合った関係だけど宮中はそんな物吹き飛ばしてしまう魔窟だから。負けないで欲しいです2010/02/11
ひめありす＠灯れ松明の火
37
昔「あさきゆめみし」を読んだ時に北の方と昔からの愛人で合わせて何人子どもがいて、みたいな話が合ったけれど、この時代女の子だったら数は多ければ多いほどよかったんですね。艶子にいよいよ秘密がばれてしまった今回。艶子は知らなかった。だから半分の秘密だった。だけど、これから彼女もまた、父や母に自分が「知っている」事を隠すという半分の秘密を持つことになる。アンビバレンツな状況は長く続けて良い物じゃないから。彼女にもその秘密を納得して受け入れるのか、反発してその秘密をなくしてしまうのか。それを決断する時が来るとよいな2010/04/25
ひめありす＠灯れ松明の火
31
半分の秘めごと。数年ぶりに読んだそのタイトルに、英凱は詞子の、そして雅遠の、ならなかった半分の姿なのだと思いました。もう少し詞子が鬼姫という立場を悪用出来たのなら、こういう風に町中を流言で混乱させることが出来たでしょう。こんな手法で家族を悲しませる道を選んだでしょう。もう少し雅遠が自分を見てくれない父や、代わりに褒められる弟を憎んだとしたら、その膂力で二人を弑したでしょう。もう戻らない修羅の道を選んだでしょう。今はそんな風に思えます。だから互いの存在があって、そして英凱にも唯一楔となる女性がいてよかった 2017/11/30
kohaku
19
無性に切なく甘い物語が読みたくて久々平安恋絵巻4作目。ちょっと都合良すぎるだろうと思いつつも相性が良いのかはまってしまう。桜姫と雅遠が微笑ましく相変わらずらぶらぶで何より。2人に立ちはだかる障害は大きいけれど思わず応援したくなる。艶子に変化が現れ始め、これからの展開が楽しみ。そして最後に発覚した弟の弱点には思わずにやり。2011/09/24
ダージリン
17
しみじみ詞子って「大人」だなーと思いました。しかし雅遠のとった縁談つぶしの方法には笑いました。2010/01/12
