内容説明
大陸は戦乱に包まれた。「――蹂躙せよ!」突如として開始された冬の国アンゴーラ帝国から聖都への侵攻。そしてサンカリヨンでは、パオラ率いる銀卵騎士団と強敵・王配候ルキウスの激戦が始まった。しかし、いまだ心が離れたままのミネルヴァとクリスの思いは繋がらない。一方、教会を統べる次期総主教選挙に向かったフランチェスカは、“刻印の謎”の深淵に迫り、自らの覇道をゆく決意をする。「あたくしの戦いはもう、将のものではない」「どうして、離れるんだ」「ミネルヴァのためにも」杉井光が贈るファンタジー巨篇。運命に翻弄される少年少女に激動のときが迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
22
アンゴーラ帝国の侵攻でシルヴィアが行方不明となり、カーラが作戦立案する聖王国軍に苦戦する指揮代行のパオラ、次期総主教選挙へ向け暗躍するフランたちのお話。この巻は表紙になった指揮代行のパオラが頑張りましたね。常に後手を踏む苦しい戦いで、敵の罠に茫然自失となりながらも、隊長たちに託された信頼に応えて見事勝利に繋げました。これから対帝国で結束すべき状況で、策謀が失敗に終わり初めて敗北したフランや聖王国諸勢力がどう動くか、そして重要な決断をしたクリスとジュリオそれぞれの行動が、今後の話にどう繋がっていくかですか。2014/06/18
晦夢
8
風呂の絵が素晴らしすぎるだろ! 面白いんだけどなんかフワフワしてる印象があるな、なんでだろ。クリスはもうミネルヴァに告白してるやん、フランチェスカの立場も大きく変わるし、ジュリオも大きな決断をする。そんな回。2014/01/28
東西
4
パオラが表紙の通り活躍した巻。 フランチェスカも意外な展開で新しい力を手に入れるし、いつもどおりクリスも新たな力を手にして、ジュリオもまた大きな決断を下す、いつもの剣の女王と烙印の仔という感じ もっと驚きがあるといいんだけど2012/05/17
セラ
4
作戦書は何となくそんな気がしてた。パオラの成長っぷりはやはりフランの近くでずっと支えて来たからこそ。感慨深いですね。当のフランは敗北、ジルは結局どうなったの。。。クリスとミィナは相変わらずいちゃいちゃしやがって! ジェリオはもう一人の主人公だよね。 2010/09/28
Mu@芒羊會
3
四方面同時進行だけど煩雑な感じはなく、逆にそれぞれの状況が分かってすんなり物語の中に入っていけた。うまいなあー。後半、プリンキノポリでのフランの戦いと、サンカリヨンでのクリスたちの戦いの同時進行はハラハラドキドキと惹き付けられた。その中で今回の個人的一番はサンカリヨン攻めで敵の罠に嵌って茫然自失のパオラに隊長たちが『貴殿が我々の指揮官なのだ』と信頼を込めて諭すところ。いいなあ、こういうの。胸が熱くなって泣きそうになった。今回の表紙がパオラなのは、もう当然ていう感じだ。2011/09/17